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田向宏行
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24グランプリで300万円超稼いだ実力派!
ワカバヤシFX・川合氏のトレード手法とは?

2013年07月22日(月)14:31公開 (2013年07月22日(月)14:31更新)
ザイFX!編集部

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 ガチで裁量トレードの腕を競い合う、第3回「リアルトレード 24グランプリ」(インヴァスト証券主催、5月1日~7月31日)が終盤戦を迎えている。

 毎回、人気FXブロガーなど著名人がグランプリサポーターとして参加し、成績を公開しているが、なぜか今イチふるわない人が多い。そんななか、今回のサポーターの中で“プラス300万円超”というすばらしい成績を上げているのが「チームワカバヤシFX」だ。

 「チームワカバヤシFX」はいったいどんなトレードを行っているのか、加えて今後の為替見通しについても聞いてみた(取材日は7月11日)。


 「チームワカバヤシFX」を率いるのは、外国為替情報の提供会社、ワカバヤシ エフエックス アソシエイツ代表取締役川合美智子さん。金融機関でカスタマーディーラーや外国為替ストラテジストとして活躍していた、まさに為替のプロだ。

Class3で堂々7位、収益率はおよそ60%!

 7月19日(金)時点の成績は、約2カ月間でプラス316万7304円(運用資金547万円、取引数量2954万通貨)、収益率はおよそ60%。多数の参加者がひしめくこの「24グランプリ」で、Class3(取引数量2500万通貨以上)にて堂々ベストテン入りという成績は、お見事としか言いようがない。

「チームワカバヤシFX」の成績(2013年7月19日時点・クリックで拡大)

 まずは、コンテスト参加にあたってのトレード方針から聞いてみよう。

 「前回のコンテストでは、FXが資産運用の手法として十分活用できることを実証するため、年率20~30%を目標に掲げ、達成しました。そこで今回は、もう少しアグレッシブに、アヤを狙ってみたりとか、チャンスがあれば利乗せ(ポジションを上乗せ)して、積極的に利益を追求していく方針で臨んでいます」

 今回のコンテストでの川合さんのトレード戦術は、プライベートで取引している手法とほとんど同じというから興味深い。

戦術はトレンドフォロー! ポイント&フィギュアは手書き

 川合さんの戦術は、相場の波に乗って利幅を追求する「トレンドフォロー」で、トレードスタイルの主なポイントは、次のとおりだ。

【川合さんのトレードスタイルのポイント】
・ 2~3日から1週間程度ポジションを保有するスイングトレード
・ トレンド転換の判断は、日足の形状やトレンドライン、ポイント&フィギュアをメインに利用。月足や週足で中長期トレンドも必ずチェックする
2円幅(200ポイント)以上の波を狙う
損切りも最大で2円幅(200ポイント)くらいを想定
エントリーは、日足の寄付きが基本
・ トレンド判断が正しかった場合は、利乗せして大きな利益を狙う

 注目すべき点は、(1)日・週・月足チャートとポイント&フィギュアを方眼用紙に毎日手書きでつけていること。そして、(2)シドニー時間の値動きを排除し、始値を東京市場の始値に、終値をニューヨーク市場の終値にしていること。

川合さんが方眼用紙に手書きしたチャート。紙が足りなくなると、横に継ぎ足していく。年季の入った手書きチャートは感動もの。

 「ニューヨーク市場が終わると同時にシドニー市場がオープンし、その後、午前9時に東京市場がオープンしますが、東京市場がオープンするまでの間は、極めて取引量が少なくなります。

 この時間帯は値動きが荒くなって一方向へ動く傾向があり、ダマシ的な動きも増えます。ですから、シドニー市場の値動きを省いてしまった方が、より正確なトレンドをつかみやすくなります」というのが、その理由だ。

 もう何十年もつけているという手書きチャートに関しては、「パソコンで見ているだけでは頭に残らない。手書きの方が数字や形がしっかり記憶され、頭に相場のイメージが入り込んでいるため、トレードしたときの逃げ足も速くなります」と効用を語る。

川合さんのオフィスにて撮影。手書きチャートの方が、数字や形がしっかり記憶に残り、トレードの逃げ足も速くなるそう

 確かにパソコンの場合、1つの画面内にチャートを納めるため、分析期間によってローソク足のサイズなどがバラバラになって感覚的にとらえづらい。川合さんのやり方を取り入れるなら、よく取引する通貨ペアから手書きチャートをつけ始めてみると良いだろう。

月足で8回連続陽線は史上初! 2、3年はドル高が続く?

 では、実際のトレードの手順を米ドル/円を例に見ていこう。まずは、月足と週足で中長期のトレンドをつかむ。

月足は、トレンドラインと31カ月移動平均線で、長期の上昇・下落トレンドをキャッチ。月足の実体が31カ月移動平均線より上にある場合は、米ドル高・円安、下にある場合は米ドル安・円高トレンドの傾向が強い、というように判断する。

 以下の図A(米ドル/円の月足チャート)を見ると、ローソク足の実体が31カ月移動平均線を下から上に抜け、陽線が続いている。

図A(米ドル/円の月足チャート・クリックで拡大)

(※上のチャートは川合さんが使っているものとは異なり、シドニー時間を省いていない一般的なもの。チャートについては以下同じ。出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)

 「変動相場制になって以降、月足で8回連続陽線というのは初めてです。7回連続陽線は、1995年と2001年の2回しかありませんでした。ということで、変動相場制へ移行してから続いてきた米ドル安・円高トレンドは、ここで終わったと考えられます。

 つまり、長期の米ドル高・円安局面に入った状態。31カ月移動平均線を下に抜けない限り、少なくとも2~3年は米ドル上昇基調が続くと予想されます」

米ドル安・円高トレンドは終了。少なくとも2~3年は米ドル高上昇基調が続くと語る川合さん

 「ただし、9カ月目の陰線は下ヒゲの長いタクリ足になっています。93.70円台まで下ヒゲが伸びていますが、これだけ長いと、これを切るのか切らないのかを再び確かめにくる傾向があることに注意が必要です」

目先は円高! 利食いは浅く、深追いはしない方が無難!

週足チャートの場合も、トレンドラインと31週移動平均線を使って同じように分析する。以下の図B(米ドル/円の週足チャート)を見ると、月足と同じように調整が入り始めたところ。

図B(米ドル/円の週足チャート・クリックで拡大)

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)

 「週足で見ると、これまでのサポートラインがちょうどレジスタンスになっているのがよくわかります」と川合さんは解説する。7月8日(火)に101.5円付近まで上昇したときも、ちょうどこのラインで跳ね返された。

 そして、川合さんは「95円台を維持できず、週足が94円台に入ってきたら、もう一段の調整が入る可能性があります」と話す。

 つまり、中長期的には米ドル高・円安トレンドにあるものの、目先は円高傾向にあるというわけだ。こうした場合は、目先のトレンドに合わせて米ドル売り・円買いでエントリーするが、中長期的には米ドル高・円安トレンドに変わりはないので、逆張りとなる。

 このような場合は利食いを浅くし、あまり深追いしない方が無難だ。

「川合美智子さんのシドニー逆張りトレードとポイント&フィギュアを使った儲け方とは?」へつづく)

(取材・文/河合起季 撮影/和田佳久)


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