■英ポンド/円は168円台前後がメインレジスタンスゾーンか
前述したように、米ドル/円よりも、今までリードしてきた英ポンド/円やユーロ/円の行きすぎが深刻である。英ポンド/円のパフォーマンスが特に目立つから、英ポンド/円を例として見てみよう。
英ポンド/円の週足から考えてみると、目先のレベルは2007年高値を起点とした全下落幅に対する38.2%反騰位置の168.09円に迫っており、目先目標達成感を漂わせる。
(出所:米国FXCM)
次に、2012年高値から引かれたレジスタンスラインが、目先の水準と合致した上、2012年末安値から引かれるサポートラインと共に「上昇ウェッジ」というフォーメーションを形成しており、同フォーメーションが成立すれば、これから反落の機運は高まる。
最後に、現在の水準は2011年安値以来の最高レベルに達しているにもかかわらず、対応するRSIの水準は、2013年4月、5月高値に対応するRSIのレベルより明らかに低く、弱気ダイバージェンスが点灯している。
同サイン、実は2013年4月高値と5月高値の関係でも検証されていたから、RSIが点灯する弱気ダイバージェンスは過去の延長とみなされる。したがって、より信憑性が高いのではないかとみる。
ゆえに、目先やはり高値圏での反落リスクを警戒し、高値追いには慎重なスタンスを取るべきであろう。円安の行きすぎがいずれ修正されるなら、目先の水準で言えば168円台前後はメインレジスタンスゾーンとして意識せざるを得ない。
■英ポンド/米ドルの大幅上昇は当面考えにくい
もっとも、クロス円であるだけに、英ポンド/円の急騰は英ポンド/米ドルと米ドル/円の同時高でないと実現できない。
ゆえに、これから高値を更新していく米ドル/円を有望視するなら、英ポンド/円の上昇一服、至って反落というシナリオは、英ポンド/米ドルの頭打ちや反落の可能性に依存する側面が強い。それでは、英ポンド/米ドルはどうなるのだろうか。
英ポンド/米ドルは2013年初来高値を更新する勢いだ。2009年8月高値から引かれるレジスタンスラインのブレイクも確定し、大幅に上値余地を拓いたように見える。
(出所:米国FXCM)
しかし、1月高値1.6381ドルの突破なしでは一時の打診に留まり、いわゆる「ダマシ」のサインを点灯する可能性がある。
RSIで測る場合、2009年8月から形成された抵抗ゾーンの役割もはっきり示されており、同ライン前後にてRSIが再度頭打ちという可能性を無視できない。
仮にこれから2013年初来高値を更新しても、英ポンド米/ドルの大幅上昇は当面考えにくいので、やはり英ポンドの頭打ちを警戒しておきたい。
■ドル/円はいずれ高値を更新し、105円の大台を射程圏に!
こういったロジックはユーロ/円にも通用する。140円の節目前後はメインレジスタンスゾーンと考えるべきだろう。
事情が異なるのは豪ドルだが、豪州中央銀行の市場介入もウワサされており、当面強気トレンドを望みにくい。ただ、対英ポンド、対ユーロでの大幅な下げに対しては、そろそろ反騰してもおかしくないから、いったん保ち合いを形成してから続落するだろう。
米ドル/円は、クロス円の反落があれば、リンクした形でスピード調整が入る公算が高まる。102円台後半におけるレジスタンスゾーンを突破できなければ、100円台後半までの反落余地もあるのではないか。
ただし、ドルインデックスと同様、米ドル/円の反落があっても修正波と位置づけられるから、押し目があれば、しっかり拾いたい。前述のように、米ドル/円はいずれ高値を更新し、105円の大台を射程圏に収めるだろう。市況はいかに。
(11月29日 PM1:30執筆)
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