昨日の欧州序盤、ドル円は100円台の後半で始まった。その前日にも米国株の大幅安で100円台は見ているのだから、あまりフレッシュ感はない。東京クローズで日本株が下げ足を速めて、日経先物が13000円台まで沈んだことを、素直にリスク回避として反映しただけなのだろう。
ドル円が下攻めするにしても、問題はどこまでが押し目になるのかであった。そのためにはさらなる株価の下落が必要になるだろうし、そのためには新興国の通貨安がさらに進むということが必要になってくるはずだ。
早いうちの欧州時間ではトルコリラの動きがマーケットを先導する。だからドル・トルコの為替レートを見ながらということになる。私としても当然トルコリラのレートに合わせていくしかない。まあ相場として面白いのはトルコリラの下がる方向ではあるが、昨日のトルコリラは前日のレベルよりも高めにいて、リラの買い戻し先行になっていた。
するとドル円もみるみるうちに上昇してきた。簡単に101円台を回復した。私も101.08で追いかけて買ってみた。15ポイントのアゲインストで損切るつもりだ。さっき通過したばかりのこんなところに格別なテクニカルポイントもないのだから、自分のポジションのコストから逆算してコストカットのレベルを決定するしかない。
経済イベントの少ないなか、新興国通貨の動きがトレードにおいての頼りである。ニューヨークオープンまで待ったが、ドル円は101.50をなかなか越えられない。トルコや南アの動きも落ち着いているようだし、これまでかなぁとドル円は101.40でスクエアに戻して様子見に。
日経先物も14200円台まで戻っている。新興国の通貨が大きく買われているというわけでもないのだが、下がらないというだけでリスクテークの理由にされているのだろう。私は前の日に夜中まで頑張った反動もあって寝てしまったが、その後にドル円は101.65あたりまで上昇。ニューヨーク時間ではリスクテークだったとはいえ、円安が全面的に進んだ格好となった。市場に安心感が広がったのだろうが、これまでの巻き戻しという側面も強そうだ。
しかし今日はドル円がこのあたりをトップしてアジア時間では軟化。100円台に入ることはなかったものの、重い足取りが続いている。日本株もまた14000円割れを試みるし、なかなか上値を積極的に追っていこうという感じではない。むしろ何か意志のある売りも出ているようにも感じられてリスクテーク方向のポジションニングは躊躇われる。
今晩はADP雇用の指標が出る。前回の雇用統計が悪かっただけに、今週末の雇用の情勢を見たいという息気味は強まっているなかでの発表だ。予想では就業者数は19万人の増加と見込まれている。順当なところだろう。これが大きく予想とかけ離れても、本番の雇用統計ですら大きくブレるので、大して問題にはならないだろう。結局、ADPの結果に関わらず、金曜日の数字をまず見たいというところに落ち着きそうだ。
株価の水準からいえば、まだ調整中である。ドルの金利はこの1カ月で定価傾向を鮮明にしている。外部環境だけ並べてみるとドル円を買っていく根拠には乏しいようだ。テクニカル面からもドル円やユーロ円は今年のレンジの下限近くにいて、とてもリスクテークにはげみなさいという感じではない。
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