昨日の欧州序盤ではプーチン大統領のスピーチをひかえて、徐々にリスク回避の姿勢が強まってきた。ドル円はアジア時間で101円台の後半まで上がっていたものが、101.50を割りこんできて、先週末につけた安値である101.21が視野に入ってきた。当然、プーチン大統領が何を言うかによっては、一気にそのようなレベルをブレークしてくるだろう。
今年の安値である100.75も簡単に抜けることになるかもしれない。方向感が出てきたので、私もドル円を101.48で売ってみた。とりあえず15ポイントだけリスクを取ることにして、下げは出来るだけ我慢して引きつけようと思った。
ユーロ円も下げ基調で、完全にリスクオフの状態。そして20時を回って、スピーチが始まった。内容は想定の範囲内。西側諸国による制裁を非難し、クリミアの住民投票は民主的であることを強調。そしてウクライナのこれ以上の分割はないという見解を表明した。これ以上の情勢の悪化はないと見たのだろう。
マーケットはこれを好感して、一転してリスクテークになった。私の損切り注文も101.55まで下げていたのだが、これもアッという間にダンになった。グローベックスでは米国株は急上昇してもいる。
ニューヨーク時間は強烈なリスクオンでスタート。米国株は一段高してスタートしたが、為替相場のほうはイマイチ。確かにドル円も巻き返したが、特に102円台に乗せてくるなどというダイナミックな動きも見られず、ユーロドルも小幅なレンジ内での動きに徹している。
その後にはロシアがウクライナ領に攻撃を開始したという報道が出たり、ウクライナの暫定首相がロシアとは軍事的な対立の局面に入ったなどというコメントが出たりして、緊張が高まる方の材料も出たのだが、マーケットのほうはプーチンの話が終わった以降はまったく静かであった。
さて今晩は久しぶりのFOMC。ウクライナ問題などのほうで忙しいので、金融政策については関心の度合いが薄まっている。とりあえず今回も100億ドルの緩和縮小ということになるのだろうが、サプライズは少なそうだ。ドル円もユーロドルもドルの安値方向の動きが気になるところ。やはり欧州時間がメインのロシア-ウクライナ情勢に注目が集まるのだろう。
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