昨日の欧州序盤では、ややクロス円の下落をともなって始まった。ここ最近、ユーロ円をはじめとして、クロス円だけはなかなか戻らない。欧米の株価が歴史的な最高値を更新している毎日だというのに、ユーロ円は上昇する局面がとんとなくなった。
ひとつにはユーロの利下げ期待の高まりという金融的な側面もあるからなのだが、それにしてもユーロ円の140円を割れてきてからの値動きは、実に鈍いものがある。ユーロ円は138円台の中盤まで押し込まれて、欧州市場はスタート。
ドル円もユーロドルも重いといっても、ここ1週間の安値が短期的なサポートを形成している。ドル円は前日の101.73であり、ユーロドルは安値攻めが続いているところの1.3612である。そのサポートを意識しての安値攻めだ。時間がかかる。
マーケットを変えたのは、ドイツの失業率の発表だった。失業者数が予想に反して増加していたのだ。これで来週のECB会合での利下げが決定的になったとの見方が強まった。ユーロ金利は短期も長期も低下。ユーロ保有の魅力も薄れることにつながるので、ユーロ売りに圧力がかかってくる。
しかしユーロドルはこのステージではサポートである1.3612を下回らず。明確なテクニカルポイントでもあるので、プレーヤーの多くが注意を払っている場所だ。突っ込み売りもそれほども出なかったようだ。どうせ売るならば、1.3612を下回ってからというスタンスのほうが明らかに強い。たしかに、ここはいったんは逆張りでもするべきだろう。そしてブレークしたところで、ショート転するしかない。テクニカル分析では抜けるかどうかは分からないからだ。
ドル円は21時過ぎに下値のサポートを割ってきた。私はドル円をあまりケアしていなかったので、この下げは取りにいっていない。ここは米国株の動向に目を向けたい。なにしろ5日連続で歴史的な最高値を更新してきているのだ。またまた更新するならば、こんどはドル円の買い場探しともなってくるだろう。再び102円台を目指すだろうから、ニューヨークオープンでのふるまいで判断することとした。
ちなみに欧州時間でグローベックスセッションにおいてS&P先物は1914ポイントまで高値を拡げてしまっている。当面の目標はこのレベルである。ここを越えられない限りは、リスク回避のスタンスで臨むべきだと思った。しかし米国株は小動きだった。前日の終値で比べると、やや反落。為替相場もニューヨーク時間ではダイナミックに動くことはなかった。
ユーロドルも1.36台を割り込んだものの1.3590近辺で短期的にはサポートされた格好になっているし、ドル円も101.60台での安値はりつきを続けている。あいかわらずクロス円は重い。今晩はアメリカのGDP改定値が出る。ブレークしていくきっかけとなるか、注目したい。また債券価格が上昇するなかで、高値張りつきの米国株のビヘイビアを引き続きウォッチする必要がありそうだ。
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