金曜日の欧州序盤も、前日と同じようなレベルで始まった。ドル円は101.50あたりで安値攻め、ユーロドルも1.35台で安値攻めである。そもそも週を通じて為替相場はあまり動いていない。ドル円は101円台の後半を主戦場にしており、102円台に上がってくるとオファーが厚くなり、101円台の中盤からは突っ込んでも後が続かない。
ユーロドルも同じだ。ユーロの利下げ観測が高まってユーロドルが400ポイント落ちて以降は、もう下げはストップしている。週を通じてのレンジ値幅もとても小さい。安いからといって、とても売り込んでいく気にはなれない。やはりここを売っていって、何度もロスカットさせられているという事実が大きい。
それでもフレッシュ・ローを見ることがあれば、安いところを売り込んでいってもいいと思っていた。そしてマーケットを眺めていたが、まったくドル円もユーロドルも下押しはしなかった。どちらかというとユーロ円が底打ちした形で堅調な地合いになりつつあった。
欧州時間の材料としては、ウクライナ情勢の緊張緩和がある。ロシア軍がウクライナ国境から部隊を撤退させているとか、ウクライナが滞納していたガス台を支払うことに決定したとか。リスク許容度も高まって、クロス円はやや強い。
ニューヨーク時間になって経済指標が出ても、為替相場は依然として狭いレンジ内の取引が続いた。リスク資産の代表でもある株価が、たとえ歴史的な高値に届いたからといっても、なにしろその値幅が小さいからだ。結局、朝までダイナミックな動きは見られなかった。
さて今週は重要なイベントが並んでいる。週末の雇用統計が重要なのはいつものことだが、木曜日のECB会合も関心を集めている。果たしてECBは利下げを実行するのか。
すでに利下げはかなりの部分をマーケットは織り込んでいる。それでは非伝統的な手段、つまり量的緩和も含めて何かやってくるのか。マーケットの期待通りにならなかった場合の反動が恐ろしい。とにかく週の中央までは様子見が続くだろう。
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