昨日は欧州序盤ではドル円もユーロドルもやや堅調な地合いでスタートした。欧州の信用不安が薄らいだからだ。問題となっているBES銀行が、当局の指導を仰ぐ形で、経営陣の交代を発表した。
経営メンバーが変わったところで、財務体質が急激に好転するわけではないのだが、それでもマーケットはこれを好感。欧州株は切り返しが鮮明になり、リスク許容度の回復が顕著になった。リスクテークによってクロス円が高い。ユーロ円が138円台まで戻してきて、なおも上値をうかがう。
グローベックスでの米国株も当然、堅調。それで私はドル円もそのうちに上がってくるのではないかと考え、そして101.47でロングしてみた。昨日までのレンジから見ると、 ちょっと高い感じもしたのだが、株価が反落に向かうまでは問題ないだろう。ただし101円台の後半にはオファーがびっしりと入っているというウワサもあるので要注意だ。
次第に不安から回復していくなかで、今週からは米企業決算が本格化する。金融機関も大どころが次々に登場。昨日はシティ銀であった。裁判費用など特殊なコストを除いた分のEPS、すなわち企業利益はアナリスト予想を上回った。そして始まった米国株も堅調な地合いを堅持した。ドル円も上がってきた。
それでも上がったといっても、やっと101.60あたりまで。米国株も上がっているとはいえ、値幅は大したことはない。ユーロ円の上昇も欧州時間までの上げで一服してしまい、さらなる上値追いの様子も見られない。だから私も就寝前に101.59で利食い売りに徹した。
ニューヨーク時間の後半では、にダウ先物は17000の大台を越えてきたし、終値ベースでも歴史的な最高値を更新した。それでもドル円やユーロ円はあまり上がっていない。
今日は昼過ぎだと思われる時間帯に、日銀の会合の結果が発表された。金融政策に変更はない。予想通りである。しかしいつものことだが、それに向かって期待だけが先行するという形で、午前中の日本株は高かった。
だが夕方の15時以降に始まる黒田総裁の会見の方が重要だ。とくに7-9月期は消費増税の影響からも脱するだろうと思われていたところ、機械受注も貿易収支も悪いデータが続いているからだ。思ったほども回復していないのならば、何かしらの刺激的な発言をするかもしれない。
実際には会見ではあまり今まで発言してきたことと変わり映えはしなかった。為替相場も特に反応はなく、101.50台で同じようなレベルにステイし続けているが、期待外れとなり、やや失望気味。欧州序盤での円相場の値動きには警戒を要したいところだ。ドイツの指標に続き、米金融大手の決算、そして小売売上高、イエレン議長の議会証言が控えている。
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