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持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」

地政学的リスク高まりユーロ円136円台へ、
さらなる下落となるか要ウォッチ

2014年07月18日(金)14:57公開 (2014年07月18日(金)14:57更新)
持田有紀子

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 昨日の欧州序盤は、ドル円は101.50アラウンド、ユーロドルは1.35台の前半。どちらも最近のレンジから見れば、安いレベルである。私はたまたまではあるが、前日のマーケットでリスクが最大に高まったところで逆張りをしたので、そのポジションの処理に専念する立場となっている。

 つまり利食いの場所の探索である。ユーロ円は137.50を下回っての推移であり、私の買い戻しのためのストップ注文は137.50でプレース中。ポジションメークはテクニカルに忠実に従って行ったものだが、これからは値動きを見ながらの各ステージでの対応が必要となる。

 ドル円は値動きが鈍いと思われるので、ユーロ円が落ちるとしたらユーロドルが下がるのだろうか。確かに欧州時間でのユーロドルは重い足取りを示している。しかしここから下サイドにはたぶん強力なサポートになり得るであろう、先月来の安値である1.3502が控えている。1.3500を割りこみさえすれば、簡単に相場も走るのだろうが、そこまでが大変そうである。

 今年の上半期でユーロを買い損ねた連中の買い意欲を一心に集めそうな場所だ。逆にこの手前で跳ね返される分量の方が多いかもしれない。だとしたらユーロドルが1.35台の前半にいる間のユーロショートは危険極まりないものとなる。ユーロ円は137.20までちょっとかすっただけで、依然として安値張り付きである 。対ロ制 裁の強化を画策しているという報道が流れ、形の上では不安要因が一つ増えたことを反映してのリスクオフであろう。

 アメリカの経済指標が出たが、住宅関連でもっとも重要な着工件数は予想よりも大幅に悪かった。しかし一方で雇用関連である失業保険のほうは良かった。どちらつかずで、為替相場も動きようがない。でも顕著だったのは株価の急反発である。グローベックスでは米国株は欧州株にツラれて、かなり安値攻めをしていた。

 それがニューヨーク勢の参入とともに発射地点まで戻してきたのだ。まったくアメリカ人は楽観的だとしかいいようがない。むしろ23時のフィリー指数で景況感が良かったことを確認すると、S&P先物は歴史的な最高値まで急接近することになった。それでも私がユーロ円のショートを持ち切れたのは、ユーロ円自体の値の戻しがほとんどなかったからだ。

 損切りの場合は機械的にストップ注文がつくまで待っていればいいが、利食いの場合は神経戦になる。利が乗っているポジションをマネージできる機会があまりないので、そんなときは利益を最大化するためにも寝ないでもマーケットに張り付いていないといけない。

 だから米国株の上昇は実に気になる。通常であれば日付けも変われば寝てしまうのだが、米国株が一段高するのか、なんとか最高値をレジスタンスとして反転するのか、見極めないといけない。眠いけど、もうちょっと我慢だ。

 するとドル円が20ポイントほど急落。なんかドル売り材料でも出たのかと思ったが、ユーロドルは上がっていない。なにか要人発言で変なものが出てきたのかなと思って、これはチャンスと思って、落ちてきているユーロ円を136.99で買い戻した。やっと大台も変わったし、とりあえず利食い千人力もできた。ユーロ円の下げはここでは止まらなかった。

 少し遅れてニュースに出てきたところによると、ウクライナ東部でマレーシア機が墜落したと言う。そもそも最近はウクライナやイラクでの紛争には鈍感になっていたマーケットである。そこに「ウクライナ」、「マレーシア航空」、「777型機」という今年の前半を騒がせたワードがすべて並んだので、より大きなものと受け止められたのだろう。私は原因が判明したのでその後は寝てしまったが、その後も米国株の一段安など、リスク回避の流れは強まった。

 さて今晩も企業決算や経済指標がいくつか あるが、マーケットの関心は完全にウクライナでの旅客機の撃墜に移っている。つまり地政学的リスクのありようが、マーケットを左右することになる。経済データには反応しないだろう。今日のアジア時間の早朝に、大きなリスク回避が起こったが、株価も債券相場もニューヨーククローズ近辺まで戻ってきている。この後の動きを注視したい。

日本時間 15時00分
 


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