昨日の欧州序盤ではドル円は117円台の中盤にまで下がってきていた。私の見るところの当面のレンジの下限である。さっそく117.66でドル円を買ってみた。投げるのは117.50割れてである。だから117.45で売りのストップ注文を置いておいた。しばらくは為替相場には大きな動きは見られない。すでにアメリカは感謝祭のお休みモードに入っているのは明らかである。
しかし自分が寝る前までには小動きが続いて、しかも戻り高値は117.90あたりまでだった。これではダメだろうと思って、117.77で売ってしまった。その後のニューヨーク時間でも、ドル円もユーロドルも30ポイントほどの値動きのみ。米国株も値幅がとても小さかった。
サウジの石油相がアメリカとサウジは減産する必要はないと発言したことで、原油が73ドル台まで下落。これが目下のところの注目材料となっている。原油価格が安すぎるとマーケット全体がリスクオフに傾く可能性が出てくるからだ。米国株が歴史的な最高値圏にいるといっても、石油関連の株価の動きは鈍い。
とくにアメリカはシェールオイルでエネルギー革命を行ってきたのだから、シェールものに対する依存度と期待は大きい。しかし算出のためのコストは高いとされ、原油価格が70ドルを超えていれば競争力に問題はないとされている。このまま70ドルの大台を割り込んできたならば、石油関連の企業の直撃だけにとどまらず、アメリカの国としてのエネルギー戦略の見直しまで強いられることになる。
それだけに今回のOPEC総会での減産での合意ができるかどうかに、世界の関心が集まっている。しかしサウジの態度を見てもわかるように、ある程度の値段の切り下がりも仕方がないとしているようにも見える。原油の値下がりは自国の歳入の欠落を意味するのだが、その犠牲を払ってでもアメリカの生産に打撃を与えるほうが優先しているようだ。そして生産のシェアを依然のように戻し、市場の支配を目論んでいるのかもしれない。
相関性からいえば、原油価格の下落はドル高要因。ユーロドルもドル円も一服しているとはいえ、1年間の中で見てみてもドルの最高値水準にいるのは事実である。原油価格のさらなる下落は、ドルの一段高を促すことにもなりかねない。今夕からのOPEC会合の後の会見から、ドルの動きに要注意。
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