2015年の相場が始まりました。
本年もよろしくお願いします。
■2015年年初の米ドル/円は116~121円のレンジ
2015年の米ドル/円は調整からスタート。前コラムでご紹介させていただいたように、為替市場は、1月2日~5日の間は反転する傾向にあります。
【参考記事】
●米ドル高継続でドル/円は130円が目標! でも2015年1月のトレードは慎重に入るべき(12月25日、西原宏一)
2015年年初の米ドル/円も、米国株の急落に連れて、いったん118.06円まで急落。その後、米国株の反転とともに反発しました。

(出所:米国FXCM)

(出所:米国FXCM)
2015年のマーケットのテーマは2014年と同様に米ドル高。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 週足)
ただ、2015年の米ドル高相場のセンターにいるのは、米ドル/円ではなく、ユーロ/米ドル。日銀によるバズーカ2をほぼ完全に織り込んだ米ドル/円は、当面、116~121円のレンジに。
【参考記事】
●「黒田バズーカ2」が炸裂! 米ドル/円は短期でも中期でも買い! サポートは110円(11月4日、西原宏一&松崎美子)

(出所:米国FXCM)
■ギリシャのユーロ離脱(Grexit)懸念でユーロ安継続
2015年の注目通貨ペア筆頭のユーロ/米ドルは年初からいきなり急落。1.2000ドルをあっさり割り込むと、1月7日(水)には1.1802ドルまで続落しました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
マーケットのコンセンサスでは、ユーロ/米ドルのターゲットは1.15ドル。そのレベルに、あとわずか300pipsのところまで迫っています(前コラム参照)。
【参考記事】
●米ドル高継続でドル/円は130円が目標! でも2015年1月のトレードは慎重に入るべき(12月25日、西原宏一)
ユーロ売りの背景は、いよいよECB(欧州中央銀行)によるQE(量的緩和策)が予測されていること。また、マーケット参加者が頻繁に使っている「Grexit」という言葉もポイントです。
GREXIT(グレグジット)
グレグジット(英語: Grexit)とは、「ギリシャのユーロ圏離脱」を意味する造語。英語: "Greece" (グリース)と 英語: "exit"(エグジット)を併せてつくられた混成語で、シティグループのチーフアナリスト、ウィレム・バウター(Willem H. Buiter)とエブラヒム・ラハバリ(Ebrahim Rahbari)が2012年2月6日に発表したレポートで「ギリシャがユーロ圏を離脱し、旧通貨ドラクマを再び使用する可能性がある」ことを指して初めて使用されて以降、マスメディアなどでも使われるようになった。
出所:wikipedia
この「Grexit」に加え、ユーロ/米ドルを下押ししているもうひとつの要因がSNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])。
■SNBは外貨準備でユーロが積み上がってきた
マーケットとSNBの熾烈な攻防が続いているユーロ/スイスフランですが、ユーロ/スイスフランは本稿執筆時点で1.2010フランで推移。
SNBは、マジノ線(※)である1.2000フランを決壊させないように、介入(ユーロ買い・スイスフラン売り)を続けていると想定されます。
(※編集部注:「マジノ線」とは第二次世界大戦前にフランスがドイツとの国境に築いた難攻不落と言われた要塞のこと)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 4時間足)
結果として、以下の記事にもあるように、SNBの外貨準備にはかなりの額のユーロが積み上がることに。
スイス中銀の外貨準備が12月に急増、為替介入受け
国際通貨基金(IMF)基準で集計された暫定値によると、スイス国立銀行(中央銀行、SNB)の12月末の外貨準備は4951億0400万スイスフラン(4901億5000万ドル)となり、11月の4626億6900万フラン(改定値)から増加した。
中銀は、ロシアの通貨ルーブルの急落でフランに買いが集まったことを受け、対ユーロでのフランの上限を防衛するために先月為替市場への介入を実施していた。
中銀は先月、ユーロ圏経済への懸念やロシア市場の動揺を受けたスイスフランへの逃避買いを抑制するため、マイナス金利を導入する方針を示し、中銀預金金利をマイナス0.25%とした。
出所:ロイター
この大幅に増加したユーロをSNBは外準調整する必要があります。
■SNBの外準調整でのユーロ売りがユーロ/米ドルの重し?
具体的には、ユーロ/米ドルの売り、ユーロ/円の売り、ユーロ/英ポンドの売りがマーケットに持ち込まれることとなります。
2015年年初のユーロ/米ドルとユーロ/円の急落の背景にはSNBのこうしたフローが影響していると想定されます。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 4時間足)
つまり、ユーロ/スイスフランの1.2000フランを死守するためにSNBが介入を続けたとしても、外準調整によって、その後、ユーロ/米ドルの売りがマーケットに持ち込まれることになります。
さらに、1.2000フランが決壊してしまうと、ストップロスを巻き込んで、ユーロ/米ドルが急落する可能性が高まります。
このSNBの動向が、ユーロ/米ドルの新たな重しに。
ECBによるQE観測、Grexit、そしてSNBの外準調整とユーロ/米ドルを取り巻く環境はさらに悪化。
1.15ドルへ向けて続落するユーロ/米ドルの動向に注目。

(出所:米国FXCM)
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