欧州時間では雇用統計に向けて様子見が続くので、為替相場もあまり動かない。問題は水曜日に発表された雇用の民間調査の結果が悪かったということだ。リスクヘッジに供したいほど、リスクテークのポジションも出来上がっているだろう。そのポジション調整で目先の相場は重くなっているのも事実だ。
ドル円も今週のレンジの安値圏で張り付いており、117円台の前半だ。これで本物の雇用統計が悪ければ、簡単にマーケットはリスクオフへと傾くであろうという思惑が働く。そのためか、発表の直前の動きとしては、ドル円は売られ、さらに軟化。市場はあまり良くない数字が出ても耐えられるように準備をしているということになる。
注目したいのは就業者数と失業率の他に、前回の発表時にマーケットに影響を与えた平均時給もどうなっているかを見る必要がある。私もリスク回避の方向で攻めたいのはやまやまだったが、117.20とかでショートにするのも嫌だったので、どうせここから売るならば指標を見てからでも遅くはないだろうと判断して、何もしなかった。
結果は就業者数が25万人台の増加になって、予想を上回った。平均時給も∔0.5%と、予想を上回った。失業率が5.7%となって予想よりも悪かったが、ファーストアクションではこれはあまり問題にされなかった。ドル円が1円以上も跳ね上がり、グローベックスでの米国株も上昇。ショートカバーがメインであるとはいっても、リスクテークのほうに完全に持っていかれている。
ドル円は118円台の後半まで進んで、値動きが乏しくなった。動かないので超短期のトレンドフォローもできず。結局、為替相場では手が出ずじまいで寝てしまった。ニューヨーク時間ではドル堅調な推移が続いた。ドル円は119円台に乗せてきて、ユーロドルも200ポイン近くの下げを演じた。
しかしニューヨーク時間の後半になって米国株が大きく値下がりをした。その日のゲインをすべて吐き出して、前日比でマイナス転するまでに至った。注目されていた平均時給は最低賃金の引き上げの影響ではないかという話しにもなっていた。米国株の急落にツラレそうになるも、ドルの強さは最後まで変わらず。ドルは全面高のまま、ニューヨーククローズを迎えた。
週が明けて、今日は朝からグローベックスにおいて米国株が急落して始まった。これを利用したい。そしてドル円も119円台からスリップしてきて、118円台の後半で取引されている。しかし金曜日のドル円尾高値が119.20あたりなので、依然として高値張り付きの領域のままである。だからここは119.20あたりをバックにして、ドル円ショートが効果的ではないだろうか。
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