昨日は欧州序盤でユーロドルが急激に下げて始まった。1.05台に突入。ロンドン勢が売りこんでいたようだ。こうなると私も売りたくなる。ここ最近の下限でもあるので危険ではあるが、ECB理事会も控えてもいるので何らかの思惑も働いているのかもしれない。1.0598で突っ込み売りしたが、1.0585くらいでいったんは止められた。もうちょっと我慢すれば一段の下げも見られたのだが、どうも気が乗らない。同値で買い戻してしまった。結果的にこのステージでつけた1.0571が、この日の安値となった。
ECBの金利会合では変更はなくて、ドラギ総裁の会見も内容には金融緩和の重要性を強調するものだった。ただし会見が始まって10分くらいすると、ドラギ総裁に向かって暴漢が飛びかかるというハプニングがあった。瞬間、どうなるかと思わせたが、暴力によるよりもビラをまいての抗議のようなものだったので、危害はなかったし、マーケットにも影響はなかった。
アメリカの経済指標は悪いものが並んだ。エンパイアの景況指数はマイナスとなり、鉱工業生産も下げ幅が大きかった。それも発表直後はあまりドル売りで反応しなかったのだが、米国株が始まる頃になってようやくドルの下落が顕著になってきた。ユーロドルは1.06台の中盤まで戻してきた。それまでのユーロの重い展開が続いたため、私のようにショートで仕掛けていた人々も多かったのだろう。ドル売りの流れが明確になりだすと、それが加速しやすくなる。
しかしその後はご丁寧にも、もう一度1.05台に差し込んでいる。これでは再びユーロベアになるのもうなずける。でもニューヨーク時間の午後には1.07台まで巻き返されて、振り返ってみるとかなりな乱高下をユーロドルは演じたことになる。ドル円もドル売りの一環で、118円台まで踏み込んでいる。
そして今日は早朝のセッションからドル売りの動きが強まった。いつもであれば本邦勢のドル買いが入って、ドル円は上昇する時間帯であった。それが余計にインパクトを与えたのだろうか。ユーロドルは50ポイント以上も上がってしまった。とくに1.07台乗せをして前日の高値であった1.0701を触れた後から、急速なユーロの買い戻しが巻き起こった。しかし時間の経過とともにユーロドルは下がってきてはいるのだが。
ともかくもユーロドルは不安定さを増している。上とか下とか決め打ちは危ない。一方項に走ると思えても、そこから急に反転することも念頭に置いてトレードしなくてはいけない。今晩も早い時間にGSやシティ銀といった金融大手の企業決算が、そして経済指標でも住宅着工やフィリー指数などが並んでいる。たくさん出るので、逐一の反応は軽視したいところ。米国株の上げ下げなどに着目して為替相場に臨んだほうがよいだろう。
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