昨日も中国の中央銀行であるPBOCは、人民元の切り下げを行った。人民元は日本円や米ドルと違って管理通貨である。政府が「今日はこの値段でやるぞ」といったら、それで決まってしまうのである。だから完全な自由相場ではないのである。共産主義における為替介入のようなものだ。昨日の切り下げがショックだったのは、2日連続だったからである。
ということは、これからも切り下げが続くのかという不安を催すこととなった。管制相場なのだから、もう投資どころではなくなる。それが資本市場でのリスク回避を誘うこととなっていく。アジア時間で日本株も大きくさがったが、それでも肝心の中国株の下げ幅は小さかった。
そしてこれだけの株安になっているのだからとリスク回避に進むのかと思って見ていたが、ドル円はさっぱり下がらない。ずっと125円台のままで、むしろ逆に上がっている。ほんの数ポイントだが125.20にすらなっている。前日と同じで人民元の下げはドル円の買いで反応したほうはいいのか…。どうもすっきりしない。株安だともうドル円は買えない体になっている。もうちょっと欧州時間まで様子を見ることにした。
ギリシャ問題が沈静化して戻り基調にあったドイツ株も大幅安で始まった。125円台は割り込んできたとは言うものの、それでも124円台の後半で張り付いていたドル円が、やっと124.70を下回ってきた。グローベックスでの米国株も安い。そこでやっと私も安心してドル円をショートに振ることができた。
しかしながらこれだけ下がらないドル円を長らく見せつけられたということもあって、私は相場が下がっても止まったら速攻で買い戻すことにした。だから大きな値幅は取れるものではない。そのうえ、ショートカバーが怖いのだし仕方がない。
ニューヨーク勢が参入してくると株価はさらに下押し。124円台の前半まで押し込まれていたドル円も、ようやく123円台に突っ込んだ。でも買いたい人も多いのか、すぐに反発してしまう。私は早々に寝てしまったがニューヨーク時間の午後からは米国株が切り返してきて、ニューヨーククローズに至るまでに前日比でプラス転するに及んだ。ドル円もしっかりと124円台に戻し切っての終了となった。
今日もPBOCは通貨を1%強、切り下げた。しかし昨日や一昨日のようなパニック売りにはなっていない。瞬間的に日本株なども下がったが、すぐに値を戻して平穏になっている。為替相場でもドル円は124円台割れを目指したが、すぐに元のレベルに戻ってきた。ドル円は20ポイントほどしか動いていなくて、総じて小動きだったとしか言いようがない。
これでまた海外勢の動向がはっきりするまで様子見となってしまった。状況は前日と同じなのだから、やはりドル円をどこかで売っていかないといけないところだと思うのだが、マーケットがリスクオフの方向で反応していないのが気にかかる。まあドル円をショート攻めするのは欧州株か米国株が下がるのを目視してからでも遅くはないだろう。
日本時間 16時00分
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