昨日の欧州序盤では、ドル円は124円台の前半、ユーロドルは1.10台の中盤だった。まったく一日前と変わらないレベルだ。というよりも今週になってますます動きが鈍くなっている。為替相場は静かな動きが続いているが、リスク資産のほうでやや調整が出てきているくらい。
先週の中国元の問題に続いて、今週は原油価格が安い。それでも下げのピッチは遅いので、マーケットを直撃するほどでもない。だからなかなかリスクオフが激しく表に出てくることもなかった。
しかし昨日は欧州時間でユーロドルが下がっている過程で、つまりドル高が進んでいる中で、原油価格が下落。ドルの値段とコモディティは反対に動く傾向が強いのである。まだ原油価格の下げが続くようならば、ユーロドルでも突っ込み売りしてみようかなぁ。そう考えていたが、ユーロドルの歩み自体がノロノロとしているので、さっぱり売り込んでいく気が起こらない。
ニューヨーク時間に入ると、今度はドル安が顕著になってきた。米国株も下げが目立ってきて、それがドル金利の低下を促しているからだろう。そして原油在庫のレポートが出ると、需給のダブつき感を高める結果となって、原油相場は一段安に。それがマーケットのリスク許容度のさらなる減退をもたらしたようだ。
私は動きの鈍い為替相場を横目に、早めに寝てしまった。寝てしまった後のニューヨーク時間でもドル安は進んで、ドル円は123円台に沈んだ。123円台というのも今年のレンジから見ると十分に高いのだが、久しく大台が変わらなかったので、なんだかすごく落ちたような錯覚に陥る。
さて今日も原油価格を注視しないといけないだろう。原油価格はもうすぐ40ドルの大台を割り込みそうなところまで来ている。ここを割り込んでくるとリーマンショックのときに100ドル落ちていきついた先である33ドルと32ドルあたりまで目立った節目はない。
でも原油価格の下落はある程度仕方のないところだ。OPECによるシェールオイルの封じ込め、中国の景気減速による需要の減少、日本の原発再稼働による脱化石の動き。ファンダメンタルズ的には20ドルを割り込んでも不思議ではない状況だ。
問題なのはそれがリスク相場的に他のリスクファクターに与える影響である。効果としては株安・円高になるのだが、それがどの程度の規模で反映されるのかがわからない。今年の残りはそれを見極めるべき大事な時期に差し掛かっているといえる。
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