昨日の欧州序盤では、ドル円は119円台の後半で、ユーロドルは1.13台の前半だった。需給的にはドル円の120円台に乗せたところに大きなオファーが意識され、なかなか上伸していかない。
またユーロドルのほうも、どうも1.13台に固まってしまい、上にも下にもいけないでいる。そして昨日は材料といっても、米企業決算で大どころがいくつか出るのが注目を集めているだけで、ECBの会合などは何も期待されていなかった。
期待がなかった分だけ、その反動も大きいものとなった。私もまったくノーケアだった。ドラギ総裁が12月の会合では追加緩和を議論すると明言したのだ。いつも「必要ならばやる」といってきたので、それだけであれば何も新鮮味はない。しかし12月の会合でということで、時期を示したことでマーケットは過敏に反応したのだった。
そもそも最近はユーロでも乏しい動きが続いており、材料を欲していたことは事実である。ユーロの緩和期待から、ユーロは素直に売られた。すぐに1.12台に突入。ユーロドルの100ポイント級の下げは実に久しぶりに目にした思いである。
私も何かやらなければと構えていたのだが、ユーロの全面安で進行しているというよりはドルの全面高の形となってしまっている。ドル円も120円台に乗せてきているし、このままユーロ中心の相場が続くのには絶対の信頼感を持てない。ドル円が動いていなければユーロドルを突っ込んで売りこんでいってもいい。
しかしドル円も上がっている状況では、果たしてユーロショートでいいものかどうか。一方では金融効果で欧州株は大きく上昇。グローベックスでは米国株も上げている。このままではリスクテークとなって、あとで ユーロドルなんかは上がってきてしまうのではないかとの不安もあった。
そして結果としては、ユーロドルはさらに一段安した。1.11台に突入し、まったく戻り場を作らずに1.10台までトライしそうな値動きとなった。ドル買いも進んで、ドル円は120円台の後半まで上昇。利食いも出ているのだろうが、株価も為替相場も一方的に動いてしまった海外市場となった。
さて今日はその緩和期待の行方が気になるところ。期待分はすでに織り込んでしまったのか。それとも流れは反転してしまうのか。海外市場ではイベントがないので、ますます欧州勢やニューヨーク勢の動向を注視したいところだ。
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