昨日の大注目はECB会合だった。欧州序盤のドル円は113円台の中盤だったものが、結果発表の直前までには114円台に触りそうなところまで上がってきた。もちろんユーロの金融緩和を見込んでのことだ。ユーロの利下げはユーロ安につながる。そしてそれはユーロドルの下げをもたらす。ドル高だ。それがドル円を押し上げているのだ。
しかしここまでのシナリオではECBが期待通り、もしくは期待以上のアクションを行ってくれるということを前提としている。だから前回12月緩和のときのような小出しに終わってしまうと、かなりの失望を買うことになる。私もあまり踏み込んだことはできないと思っていたので、ユーロは下がったところを目をつぶって買っておきたいを考えていた。
これは昨日も書いたことであるが、ユーロドルが100ポイントも落ちたら、そこは買ってみたい。そして直後に来るであろうユーロのメクリで200ポイントくらい上がるのではないかと見ていた。相手にする値幅が100ポイントとか200ポイントになるので、いつもよりも小さいポジションでやらないといけない。通常の3分の1で臨むことにする。
結果は市場予想を超えるものだった。あまり意味はないが、政策金利を0.05%からゼロに引き下げ、また準備預金のほうのマイナス金利幅も0.1%だけ引き下げた。ここまでは予想している筋もあったが、量的なほうで資産買い取り額を200億ユーロ増やしたのにはびっくりした。私としてはドイツあたりが猛烈に反対すると思っていたからだ。だからマーケットにとってもビッグサプライズとなった。
ユーロドルは100ポイント、ストンと落ちた。そして1.0850あたりでしばらくもんでいた。ここは買うべきところではないのはよく分かっているが、当初の指針通りにスモールでユーロ買いをしてみた。もちろんすぐにフェイバーになるとは思っていない。むしろこのまま押し込まれてしまう可能性のほうが大きい。それだけヘッドラインだけからすると、ECBが期待以上の追加緩和をしたように見える局面であった。
私はポジションが小さかったこともあり、また利益は200ポイント狙いたいと思っていたので、損切りの目安は100ポイントを想定していた。だから1.07台に入ってからである。しかし運よく1.07台には突入しなかった。
そしてドラギ総裁の会見が始まると、ちょっとだけユーロが上がり始めた。だんだんと力強く上がっていく。私はスマホで為替レートを見ていたのだが、値段が更新されるたびに10ポイントずつ上がっていくではないか。そして1.10台に到達。私は喜んでポジションを利食いした。
すぐに1.11台まで見たのだが、相場の端から端まで歯取ることはできないものだ。夜中にはさらにすすんで1.12台までつけている。そしてドルのアンワインドが出て、ドル円も112円台まで落ち込んでいる。
今日はECBの後の消化具合を確認しにいくマーケットなるだろう。果たしてユーロの利下げに打ち止め感が出たのかどうか。そうだとすると株価も天井を打つことになるのだが、昼間の状態を見ている限り、ややリスクテークが先行している。これが続くのかどうか、海外市場を注視したい。
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