昨日の欧州序盤ではドル円が101円台に乗せてきた。上がってきたといっても、101円台である。つい1、2週間まではとても安いと嘆いていたレベルである。ちょっと前までは105円を割り込んだら介入かとも騒いでいたのに、実際にここまで来てみると何の心配もない。
アメリカに釘を刺されているのもあるだろうし、そもそも他の国々はイギリスの国民投票によって起こったドル高で悩んでいるのだ。フィリピンや台湾、韓国などは開票日の24日に大いにドル売り介入をやったものだ。ドル売りで必死な情勢のなか、ドル買い介入で理解を求めるというのも困難なのだろう。
そういったわけで、今となっては101円台は高く見える。私も戻り売りの水準を101円台に置いている。もちろん102円台や103円台で売りたいには売りたいのだが、そこまでもドルには別の要素が必要だ。目下の状況ではフレッシュな材料は出てこなさそうだ。しかるに戻りはしっかりと売りこんでいく。「昨日の安値は今日の高値」であることを言い聞かせて、戻り売りに励むのだ。
ポンドもだいぶ買い戻されてきたのだが、ポンドドルは1.30台にちょこんと乗せたりするのがせいぜいで、なかなか定着しない。すぐにFXオプションからと思われるヘッジ売りが出てきたりして前進を阻む。ポンドの上がらなさを確認したら、次はドル円やユーロ円の売りとなる。
最近はもうこの繰り返しである。ニューヨーク時間になると、そうした円高が目立ってきた。別に欧州株や米国株が大きく沈みこんでいるわけではないので、リスクオフになっているわけでもない。私も101円台でスモールだけショートにして、下がるのを期待する。
欧州委員会がスペインとポルトガルに対して財政規律を守るように勧告した。罰金も科すという。これがやや欧州不安を煽ったこともあり、ユーロもポンドも下げ足を速めた。ドル円も反転して下落に向かった。私は日付の変わる前に寝てしまいたかったので、100.82で買い戻して寝ることにした。
さて今晩はアメリカの雇用統計。しかしドル金利の先物価格を見る限り、イギリスのEU離脱が決まって以降は、来年の6月までは利上げなしを織り込んでいる。いうまでもなく年内12月利上げは吹っ飛んでしまっている。この環境の中で雇用統計が良くても、反応しきれないというのが実情だろう。
いまさら利上げ期待が再開するわけでもなし、それを理由にドルを買い進んでいくわけにもいくまい。そういうわけで今回の雇用統計ではマーケットの関心度がやや薄らいでいるように思われる。
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