先週末はアメリカの雇用統計であった。週のあいだに何度も100円台に突っ込むものの、なんとか底割れせずに101円台まで戻すという展開が繰り返されている。要するに101円台中心の値動きが続いているのだ。これのレンジブレークができるかどうかを試しにいくわけだが、今回の雇用統計はそれほども注目を集めていない。
やはり9月利上げは完全にないものとしてマーケットでは短期金利先物などに織り込まれているし、8月はそもそもサマーバカンスのシーズンだ。奇をてらったことを考えてポジショニングに励んでも、マーケットは動じない可能性が高い。雇用統計の結果が良くても9月利上げの芽は出てこないし、悪くても年内利上げの可能性はすでに薄くなってしまっている。また来年の利上げ動向がどうなるかを議論するには、時期が早すぎる。
そういうわけで様子見姿勢が続きながらも、欧州時間ではドル円は101円台の前半でステイ。そしてちょいちょいと100円台に差し掛かったりする。いかにも下に行きたがっているようだ。私もドル円を売ってショートにはしたいのだが、やはり最近のレンジの下限であることを意識してしまう。
まあ、どうせ売るならば指標の結果を見てから出も遅くはないだろうと思い直すことにした。売り込むのだったら、99円台に突入しているほうが売りやすいというものだ。
雇用統計は、たいへん良い結果に終わった。就業者数は25万人の増加となって、予想を大きく上回った。そして平均時給プラス0.3%と、こちらも予想を上回り、インフレ目標に近づくことが期待される数字となった。マーケットはこれに素直に反応し、結果発表の直後から為替相場ではドルが急上昇。
ドル円は一気に102円台まで回復。ドルの全面高に支援されて、マーケット全体のリスク許容度も増大。私は下方向を見ていたので、上げ相場についていく気にはなれなかった。
為替相場も動くには動いたが、それでもドル円は1円幅の中に収まってしまい、小動きだといわざるをえない。また肝心のユーロドルも依然として、1.10台とか同じようなレベルで平然としている。
今週はいよいよ日本はお盆休みの時期に入る。市場の参加者も少なくなる。相場の値動きも鈍くならざるをえない。しかも経済イベントも金曜日に集中しており、それまでは材料がない。週の前半は雇用統計の結果を消化するのにもっぱら費やされることになりそうだ。
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