昨日はアジア時間でドル円は100円割れを喫した。午後からの黒田総裁の発言で何か出るのを期待していた筋からの失望売りといった感じで、ポジション調整の域を出ない。だから下押ししたといっても、破壊力のともなう投げ売りというものではなかった。
むしろどちらかというと押し目を拾っておきたいと考えているプレーヤーに良い買い場を与えることとなった。あまり下がらないとなると、欧州序盤ではショートカバーが優勢となった。
ドル円は100円台に戻しての海外市場となったが、マーケットに材料が欠けているためダイナミックな動きにはつながらない。私も手が出ないでいる。朝からやっていても50ポイントも値幅がないのでは、方向感が出ない。やはり週の後半まで待たないといけないのか。
ニューヨーク時間では住宅関連の経済指標が良かったので、米国株が上がるなどリスクテークが進んだ。しかしここ最近の資本市場に顕著なように値幅が少ない。ということはボラティリティの低下が著しい。値幅が小さいところでは進んでポジションを作ろうという意欲も減退する。
どうせ動かないと思っているところに、緊張感を強いられるかもしれないポジションを持つというのは労力の無駄だからである。そう思っている参加者が多いせいか、マーケットはますます動かなくなる。朝まで為替相場は小動きだった。
今晩もアメリカでは住宅関連のデータが出る。しかしリスク資産に与える影響は少ないものと見られる。米国株は歴史的な高値にあって、さらなる高値更新には警戒心が出てきているし、高過ぎて企業利益の裏付けがないとPER的にも買っていけないといったところだ。株価が上がらない以上は、リスクオンにも歯止めがかからざるをえない。
しかし一方で昨日はイランも生産調整で協力する姿勢を示したことで、原油価格は高くなった。再び50ドルの大台をトライしている。どちらかというと原油相場のほうがリスク相場を支える可能性が高い。石油在庫報告も出てくるし、注目すべきは株価よりも原油のほうになっている。
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