金曜日のジャクソンホールでイエレン議長がしゃべるというので、マーケットは様子見姿勢が強まっている。マーケットはほとんど動かなくなっていて、米国株は歴史的な高値水準に張り付きのまま。為替相場も一日の変動幅が実に小さくなってきている。変動が極端に小さい日が続くのは、大きく動く前兆だとする経験則もあるが、来週から大きく動きだすとは到底、考えにくいものがある。
そもそもイエレン議長が話すのは「金融政策のツール」についてとされている。9月利上げがあるのかないのかを示唆一層にもないタイトルだ。もちろん口調などから近い将来に何をやろうとしているのかを読み取ろうとする動きは出るだろうが、議長の立場として従前の見解と違うものを表明しそうにはない。
「利上げペースはゆっくりと」とか「経済データを見ながら」という文言が並ぶだけだろう。そこからは9月のFOMCに関するスタンスを読み切れるはずもなく、スピーチが終わる前に期待だけが剥げ落ちる可能性が高い。
それでもマーケットは様子見を続けている。昨日の欧州序盤ではドル円は100円台の前半。あまりにも長いこと、このレベルにステイしているように感じる。だからにわかに緩んで99円台に突っ込んでも、あまり円高が進行したようには思えない。
ただ日銀が何かアクションを起こすのではないかとの思惑だけで、急反発したりを繰り返すだけだろうと見られている。そういうわけでますます100円ちょうど近辺での攻防は、面白さをなくしつつある。イエレン議長の話しで、いっそのこと97円台とかまでぶっ飛んでくれれば次のアクションも容易になるのだが。
昨日はニューヨーク時間の午前場で、ドルの買い戻しがやや進んだ。ユーロドルの下げも引き連れたので、ドルの全面高という構図である。しかし相変わらず値幅が少ないし、値動きにも活発さがないので、ちょっと流れについて行く気になれない。もうこうなったらイエレン議長のトークが終わるまで、完全休養に励んだほうがよい。私もノーディール政策にすることにした。
今晩も様子見相場となるだろう。ドル円は昨日のレンジ内に収まりそうだが、そのどちらかでもブレークして来たら、マーケットを見ようかなというスタンスでいいのではないだろうか。
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