昨日は日本が休みだったが、日米の金利会合を終えてマーケットの消化具合を試す日となりそうであった。アジア時間でドル円は100円割れをトライした。しかし100.10までで、いちおう大台を死守した格好となった。その後は底値を打ったと見た連中の買いを集めたが、依然として戻りの上値は重いまま。
夕方になって休日だというのに、財務省・日銀・金融庁で緊急会合を持ったことが報じられた。そして財務官からもいつものフレーズなのだが、「投機的な動きが見られれば対処する」というコメントが出てきた。どうせ実弾の介入はできないものと思われている。
アメリカがこのレベルでも「相場の自然な流れ」と表明した経緯もあり、アメリカの意向には逆らえないだろうからだ。それでも材料が出尽くした後のマーケットは、それに飛びついた形となった。ドル円は急激に底堅くなり、下攻めはしなくなった。
ニューヨーク時間に至ると、ドル円はもう100円台の後半まで戻しきっている。それでも不思議と101円台までは上がっていかない。ドル金利の先高観が払しょくされたこともあって、原油などコモディティは上昇し、企業コストの低減を喜んだ米国株も上昇。リスクオンの相場展開になって、ドル円はますます緩みにくいものとなった。
今日になってドル円は101円台まで回復してきた。日本の役人のコメントを信じたわけでもないのだろうが、信じたフリでもしないとチャートなどで明らかになっているダウントレンドに逆らってまで、こんなところを買っていけないのだろう。いずれにしてもドル円の100円割れは時間の問題のような気がする。
さて今晩は、経済指標はほとんどない。注目は連日で大きく上昇してしまった米国株の行方だ。このゲインで9月利上げを懸念して下げていた分をすべて取り戻したのだが、レベルはすでに歴史的な高値を狙える位置にまで到達している。ここまで来ると、またPERなどから見た企業利益の増加を欲するのがマーケットである。
それで正当化されないと、株価は急激に調整を迫られる。簡単にリスクオフの状態に陥るわけだ。しかるにいくら今年の安値近辺にあるからと言って、ドル円をここから買っていくのは得策ではないだろう。むしろ95円台や92円台も年末までにありうるのではないかと考えて臨んだほうが無難だと思う。
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