昨日は海外市場ではリスクテークが進んだ。やはり下馬評の通りにクリントン候補が当選しそうだという見方が強いからだろう。ドル円は105円台まで戻し切って、なおも上サイドをうかがっている状態。
米国株は前日の大幅上昇があったので、ちょっと一服感が出てきているが、腰が強いことには変わりはない。リスクフルのまま結果発表を迎えるのは、イギリスでの国民投票と同じ図式である。
今までになく、どちらの候補が大統領になっても面白くなさそうだというのが前評判である。マーケットの側から見ると、将来不安の増大のあるなしだけで動いている。クリントンだったら、前政権とあまり変わるはずもないので現状維持。
一方でトランプだったら、本当に主張してきたことを実現するのかどうかの心配だけが先だつ。トランプ氏が合格したら、それだけでマーケットは混乱モードに突入すると見なければならない。しかも方向はリスクオフのほうで。
さて投票がほぼ終了して、開票作業の始まりである。トランプ氏が善戦している。ドル円は105円台をキープできずに104円台へ。あまりスピードのある下げではなかったが、着実に値は切り下げていった。103円台にも突入。
これでクリントン氏が勝ったら、また105円台まで急反発するのだろうかと思えるくらい重い展開となった。すでに昨日からドルロングで励んでいた連中のポジションは切れている水準だ。あとはさらに票が開いて、トランプ氏が優勢とならないと一段安はしないだろう。
しかし昼過ぎにオハイオ州もトランプ氏がとったという報道が流れると、一気にリスク回避の姿勢が明白になった。ドル円は一気に101円台に入ってきて、これでもなお下げ止まりそうもない雰囲気だ。ドル円は101.20あたりまで差し込んで、なおも開票の行方を見守っている。
リスクオフは株価にも現れ、日本株は大幅安となっている。グローベックスのS&P先物は制限値幅いっぱいまで下げて、しばらくサーキットブレーク所帯で取引停止だったが、これが再開されて下値追いがなかったことから、瞬間的にリスクテークになる局面もあった。これから欧州序盤にかけては、なおもチョッピーな動きが続きそうだ。
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