昨日の欧州序盤では、ドル円はアジア時間の111円台を脱し、112円台の前半まで値を戻してのスタートとなった。ここまで戻ってくると、トランプ相場に乗り遅れたと感じている人たち、およびまだトランプ・ラリーは続いているのだと信じたがっている人たちの買いを集めることになる。
ただ前日にも戻しを試したときは112.70あたりまでだったので、その辺の挙動に注意を要する。私もドル円はブルになりたいとは思いながらも、112.70アラウンドあたりまでは恐る恐るショートにしてみることにして、完全に上抜けしたらロング転する。そのような想定でマーケットに臨むことにした。
まずは112.58でショートを作れたのだが、その後は確かに112.70あたりで引っかかりながらも、逆に押し目も浅かった。112.45くらいまで差し込むのがやっとだった。
2回目の噴き上げでは一気に上抜けしてしまい、私もド転する羽目になってしまった。想定した通りといっても、まずは損切りから入るのは、やはりつらい。
しかし時間がそれほどもかからなかったのが、唯一の救いだった。アメリカのGDPの改定値の出る前にもドル円は113円台に乗せたりして、結構、安心して見ていられた。そしてGDPが良かったことで、ドル円は112.30あたりまで上伸した。
私は損切りもしていたので、十分にお釣りの来るレベルということで113.09で止めてしまっていたが、まだまだ上がり相場雰囲気であった。ドル金利も上昇に向かっているし、形の上ではドルの全面高となっている。
結果的にはこのステージがドルの最高値圏であった。後のニューホーク時間のほとんどはドルの利食い売りに費やされたといってもいい。朝になって見ると、ドル円はトップから1円ほども下落しており、正直、ちょっとびっくりだ。
材料としてはOPECでの合意が困難そうなことがわかってきたことだ。イランの産出量の割り当てについて、サウジの合意が得られない様子。そしてイラン側も譲歩するようには見えない。
そうであれば現行の歴史的にも高水準の石油産出が継続するわけで、これはロシアやアメリカ、イギリスなど非OPEC産油国にもたまったものではない。それを意識してか、原油相場は軟化。まだ本格的なリスク回避の動きが明確には出てきていないが、それがOPEC会合の最終日である本日に向かって市場の不安をかき立てている。
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