昨日はアメリカの金利会合が大きなイベントであった。欧州序盤からドル円はずっと115円ちょうどを挟んでの展開。ちょっと上サイドを攻めきれずに、また反対に押し目では買いたいという意欲も強そう。要するにFOMCで何か材料でも出てこない限り、動きたくはないという、様子見の姿勢がくっきりだ。
今回の金利会合では0.25%の利上げをするのは完全に織り込み済みだったので、それでマーケットが動くことはない。問題は来年以降の利上げのペースである。同じペースならば来年の12月にも同じ幅の利上げとなるところだが、株高のため、自由な短期金利市場では6月利上げも織り込んでいる。
つまり年2回のペースに引き上がるわけだ。はたしてこの年2回の利上げを正当化するような声明文が出てくるのか。文言の内容に関心が集まった。そして結果としては年3回まで利上げを見込んでいるということとなった。
これは予想以上の上げ幅となる。それに反応して為替市場ではドル高が進んだ。ドル円もユーロドルも150ポイントほどのドル高となって、最終的にユーロドルは昨年来の1.04台まで下がった。ドル円も116円台を飛び越して、117円台までジャンプアップした。
ドル金利の上昇によって企業負担増を嫌って米国株は下落し、ドル高に弱いコモディティ相場も全面安。リスクオフの形の中でのドルの独歩高となった。
私は夜中には面白いことはないだろうと考えていたので、FOMCスルーで相場を見ていなかった。朝起きて見るとドル円が117円台だったので、そういうこともありうると想定はしていたものの、やはりちょっとビックリであった。
今日のアジア時間ではドル相場が一段高。ドル円もユーロドルも昨夜のドル高水準を超えてきた。これはストップハンティングの一面もあるのだろうが、ユーロドルが昨年来の安値である1.0463の一歩手前で踏みとどまったことで、テクニカル的にドル高の勢いが衰えてきている。
まあ、それも時間の問題であるようにも思えるが、今晩も経済指標が山ほど出る。クリスマス休暇のためにスケジュールを前倒しにしているためだが、あまりにもたくさん出るので、どれにも市場は反応しなさそうだ。それよりも昨日のFOMCの結果をきちんと消化することを見極めるほうが、材料としては大きい。
日本時間 15時00分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)