昨日はアジア時間ではドル円が111円台の前半でウロウロ。しかし海外市場ではリスク回避の流れが強まった。ニューヨークオープンの頃にサンクトペテルブルクの地下鉄で爆発が起き、テロの警戒感が高まったからだ。
それで為替相場でも円高が進んで、ドル円は110円台にまで突っ込んだ。110円台といえば今年の最安値圏である。ちょっと下値不安を呼び起こしそうな局面であった。
私もドル円の下値攻めには最新の注意を払っていたのだが、いかんせん、日付をまたいだ夜中になって深押しを始めたので、もう寝入ってしまっていた。
しかしドル円はそれども値崩れしなかった。安値は今年の安値を更新することもなく、売りこみは失敗だった感じすらある。米国株も最初は安値攻めをしていたのだが、ランチタイム以降は急速に値を戻してきたことも大きい。
トランプ政権下での税制改革に、当面は国境税を含まないのではないかという観測が出てきたのだ。つまり普通にやるということだ。それでマーケットは安心感を得ることになったようだ。
今日になってドル円が今年の安値を下回ってきた。110円ちょうどにかけてはサイコロジカル的な節目もあってビッドが並んでいるようだが、そこをアタックしに行っても止められるかどうか。
しかしこれは、テクニカル分析だけではわからない。テクニカル分析でわかるのは、そのちょっと手前で引っかかるだろうということだけ。抜けてしまったら「抜けた」ということで済まされる。
ドル金利が短期も長期も低下傾向が目立ってきた。トランプ政権のやりたいことが実はできそうもないことが徐々に浸透しつつあるからだろう。残すは米国株など高すぎるリスクテーク分の調整なのだが、それもいつ来るのかは不明だ。
まあそんなものを待っていても仕方がない。ともかくも今夜はドル円の下値不安に備えることだ。
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