昨日は日本が休みだった。そして海外でも経済イベントが少なかったため、マーケットは総じて小動きだった。為替相場ではイエレン議長の議会証言の後は、ずっとドル安傾向で進んでいる。経済指標も悪いものが目立ちだしているので、それもドルのデバリューを助長している。そうしたドルの下値模索がどこまでなのかを確認するのが、為替相場での関心となる。
欧州序盤ではドルが安値攻め。しかしドル円もユーロドルも金曜日のドル安水準をトライしていた。アメリカの景況指数が出て、それが予想を大きく下回った。それを契機にドルは売られ、ユーロドルは1.15台に迫ったが、ドル円は前日の安値を下回ることができなかった。
それで目先の底打ち感が出たものか、どこかでドル買いをしようと考えていた人々のドル買い意欲をあぶりだした。ドル円は一転して高値攻めの展開となって、112円台後半まで吹き上がった。一方で米国株は先週に連騰して、史上最高値を何回も更新してきた。価格の高さを正当化するために待たれるのが、米企業決算である。
今週からは決算発表が本格化する。それで現在の株価の水準が適正かどうかを判断する材料にするのである。それもあって米国株のほうは様子見の姿勢が続いており、マーケットも静かになった。ドル円はニューヨーククローズにかけて利食い売りに押されて終了。
ところで最近また世間を騒がせているのがビットコインだ。先月に3000ドルまで上がっていたのだが、それが先週には1700台まで急降下。そして2100台まで戻ってきている。いまや世界のリスク許容度を測るバロメーターの一つにもなっているビットコインだ。その動向はまったく無視できない。
ビットコインが一段安すれば、マーケットがリスク回避の方向で動き出し、世界的なボラティリティの低下にも歯止めがかかるかもしれない。直接には関係がないとは思いながらも、次の流れがどちらかなのかは注意して見ておきたい。
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