■先走った仕掛けはパラシュートをつけずに飛び降りる行為
では、今晩(8月4日)の米雇用統計はどうだろうか。たびたび指摘してきたように、世の中には米雇用統計を予測できる一個人や集団は存在しないから、基本的には当たったとしても運が良いにすぎないだろう。
だから、結論から申し上げると、サインが鮮明に点灯されるまで待つしかない、ということに尽きる。相場より先走った仕掛けはパラシュートをつけずに飛び降る行為と同じく、無謀としか言いようがない。
つまるところ、アナリシスとトレードは別物である。アナリシスは理屈をもって展開される分、実戦における欠点も大きいわけだ。
相場は相場に聞く、という格言の真意はここにあるかとも思う。実戦のトレードはあくまで相場のサイン次第、というポイントは、いくら強調してもしすぎではなかろう。
■勝率の視点から取引通貨ペアを選ぶとすれば?
ところで、勝率の視点から通貨ペアを選ぶことは可能だ。ユーロ/円の高値更新が示唆しているように、米ドル全体の状況はどうであれ、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)がリードする円安の方向は続く公算が高い。
ユーロ/円の133円の上値ターゲットが維持される以上、ユーロ/米ドルは頭打ちがあっても、しばらく高値圏での保ち合いを続けられるのではないだろうか。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
この意味合いでは、米ドル/円は下値が限定され、また、いずれ再度底打ちを図ってから上昇トレンドへ復帰してくる、といった予想に関しても大した変化はない。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
が、今晩の米雇用統計の結果次第では、一時的にせよ、下振れの幅が増大するリスクはあるから要注意。市況はいかに。
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