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太田忠
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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

「すこぶるリスクオン」の中、理屈上では反転
してもよいのにドル安が延々続くのはなぜ?

2017年08月04日(金)17:57公開 (2017年08月04日(金)17:57更新)
陳満咲杜

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■「すこぶるリスクオン」の中、米ドル安が一段と進む

 米ドル安が一段と進み、ドルインデックスは一時92.55にトライ、昨年(2016年)5月安値(91.92)に接近している。

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足

(出所:Bloomberg)

 相応するように、ユーロ/米ドルは一時1.1910ドルの高値にトライ、1.2ドルの心理的大台も射程圏に入っている。

ユーロ/米ドル 4時間足
ユーロ/米ドル 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足

 米ドル安が続く背景には、「ロシアゲート」疑惑の深まり、トランプ政権の内紛、北朝鮮の地政学リスクなどの要素が挙げられるが、リスクオフ云々というのは勘違いであろう。

 何しろ、一昨日(8月2日)、NYダウが2万2000ドルの大台へ史上初めて乗せたことに象徴されるように、少なくとも米国株をはじめ、欧米日株式市場は堅調な推移を保っているから、足元は明らかにリスクオンの環境にある。

NYダウ 日足
NYダウ 日足

(出所:Bloomberg)

 ちなみに、トランプ政権誕生前から計算すると、NYダウは2割も上昇しているから、すこぶるリスクオンと言っても過言ではなかろう。

■米金利の「異常な低下」が米ドル安の最大の要因

 ゆえに、米ドル安になっているのは、昨年(2016年)年末まで続いた「トランプラリー」の行きすぎに対する反動といった側面が大きい上、明らかに他の要素が働いていると思われる。

米金利の「異常な低下」が最も大きな原因ではないかと考えられる。換言すれば、米債券バブル(債券高は金利低下と連動)が米ドルを押し下げている要因であることは見逃せない。

米長期金利(米10年物国債の利回り) 日足
米長期金利(米10年物国債の利回り) 日足

(出所:Bloomberg)

 だから、あのグリーンスパン氏(元FRB(米連邦準備制度理事会)議長)「株価ではなく債券バブルの破裂に用心しろ」と警告を出し(8月1日ブルームバーグ報道)、米ドル安が米国株高に寄与していると説明できる一方、米景気とかけ離れた低金利はいつ反転してもおかしくないから、これがこれからのリスク要因になると指摘した。

■ユーロ高騰はECB政策転換に伴う金利上昇傾向が要因

 さらに、米金利の低迷が、その他の主要外貨との金利差の縮小を招いているところも大きい。

 マイナス金利であるユーロが高騰してきたのは、他ならぬ、ECB(欧州中央銀行)の政策転換に伴う金利上昇傾向が要因だと思われる。

 実際にユーロが米ドルの金利水準まで迫ってくることは、あったとしてもだいぶ先であるが、マーケットには先取りして値動きを形成するメカニズムがある。足元まで目一杯、金利差縮小の傾向を織り込んできた結果が、足元のユーロ高につながっていると言える。

■テクニカル的には「オーバーボート」がキーワード

 テクニカルの視点では、前回のコラムでも述べたように、そもそも為替市場における価格形成メカニズムでは、ロング筋・ショート筋のバランスが大事だから、トレンドをさらに進行させるには、順張り派のみでなく、逆張り派の存在が必要不可欠な存在だ。

【参考記事】
売り材料のないFOMC後になぜ米ドル安? 気をつけろ! それは相場反転のサインだ(2017年7月28日、陳満咲杜)

 ユーロ/米ドルを例としてみると、先週のコラムでも指摘していたように、すでにかなりの「オーバーボート(買われすぎ)」のサインを点灯していたにもかかわらず、足元までさらに買われているのには、わけがあった。解読のキーワードはやはり「オーバーボート」である。

 すでにオーバーボート(オシレーター系指標をもって測るのが一般的)のサインが点灯し、また、それが深刻化するにつれ、そのことが逆張り派(この場合、ユーロ/米ドルの売り)の新規参入を呼ぶ

 その際、オーバーボートのサインが点灯しているわけだから、逆張り派の多くは「根拠があり、確率の高いトレード」と思って参入してくるわけだ。

 その結果、すでにオーバーボートであったにもかかわらず、トレンドは往々にしてさらに延長され、さらなるオーバーボートにつながるケースが多い。

 というのは、往々にしてトレンドに沿った方向でファンダメンタルズの材料は続出する傾向にあり、また、トレンドに沿う方向のものしか材料視されないため、逆張り派は一段と踏み上げられる確率が高いからだ。

 その結果、一段とオーバーボートの深刻化を招き、サインが鮮明化、深刻化するにつれ、より多くの逆張り派の参入をもたらす、といった循環ができるわけだ。

■相場は理外の理、ただし、永遠に続くトレンドはない

 先週末(7月28日)以降のユーロ/米ドルはその好例と言える。

 FX会社の中には、顧客のポジション比率情報などを開示している会社もあるから、その内情を見る限り、大まかに言って、逆張りの「売り」が70%も占める状況が多かった。

 だから、理屈上は相場がいつ反転してもおかしくないが、なかなか反転できず、ユーロ高・米ドル安のトレンドが続いているわけだ。

 相場は理外の理、という言葉はこのような現象を指しているとも思われ、相場は芸術だと言われるゆえんでもある。そしてそれこそ、相場は憎い存在でありながら、いつまでも我々トレーダーを魅了し、虜にするという、根本的なところではないかと思う。

 とはいえ、永遠に続くトレンドはない。トレンドが強ければ強いほど、また、トレンドが長ければ長いほど、逆張り派の失敗が重なるから、最後はどこかの時点で新規逆張り派の大幅減少を招く

 そうなると、トレンドも最終段階にあるか、少なくとも1回大きなリバウンドをもって、バランスの構築を図るはずだ。

 この場合、往々にして何らかの材料の出現をもって調整が始まるが、残念ながら、事前にはなかなかその材料とは何かを言い当てられない。

 では、今晩(8月4日)の米雇用統計はどうだろう…

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