昨日はマーケットがほとんど動かなかった。ドル円もユーロドルも1日を通じても50ポイントも動かない。それもそのはずで、いつもはトランプ政権から何か飛んでくるかもしれないということで、完全に息の抜ける状況ではなかった。
だが今週はトランプ大統領もサマーバカンスに入っているし、米議会も休会中。だから世の中を騒がせる材料は出てこないのである。しいて言えば北朝鮮のミサイル発射が問題視されるくらいであろうが、最近はミサイルを発射しても市場の反応は限定的。地政学的リスクの高まりだとはみなされていないのである。
先週末のアメリカの雇用統計が良かったこともあって、ユーロドルはややトップオフの状態。しかしそれでも1.18台というのは今年のレンジで見ると高値圏に張り付いているといえよう。つまりドル安水準なのである。
ドル円も今年の値幅だけから見ると確かに半値よりも下サイドにはステイしているのだが、あまり安いという感じがしない。ドル円が安値である108円台をやったのは、ずっと以前のことだからそう思えるのだろう。また現在の目先の動きでも、そう簡単に109円台を割り込んでくるようなドル売りの勢いもありそうにない。
リスク性の高いものとしての代表である株価なども、値動きに乏しい。日本株は言うに及ばずで、米国株も連日で歴史的な最高値を更新してきているといっても、その1日の値幅は今までになく狭い。低ボラティリティを表象しているようなものだ。まだまだ米国株に調整の兆しが見えてこない。
ここ2カ月以上にわたってダウ平均でドカンと200ポイントとか下がることもなくなった。リスクの主体としての機能が低下しているのだろう。現実問題としてはそれが回りまわって為替相場の停滞をもたらしているものと見える。逆に言うと米国株などでダイナミックな動きが顕著に出てこないと、しばらくは夏枯れ相場よろしく動かないのだろう。
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