昨日のアジア時間でドル円が軟調に推移。109円台に差し込んで、そのまま値を戻す機会がなかった。トランプ政権で助言機関が閉鎖され、それが政権運営の不安定さを増しているように見えるからだろう。私も朝がたこそドル円をショートに触れなかったものの、夕方からショート参戦。
しかし欧州時間の午前中でドル円はメクリ上げられて、あえなく撤退を強いられた。一つにはユーロドルがものすごく下がりだしたので、それにツラレてのドル買いの側面もあった。ユーロが下がったのは、ECB議事録の中で最近のユーロ高の傾向に懸念を示していることが判明したからだ。
アメリカの経済指標はいくつか出たが、どれもマチマチ。しかしニューヨーク序盤で、人種問題に絡んでNECの委員長も辞任するというウワサが広がった。これでニューヨーク時間ではスタート直後からリスク回避の流れが強まった。インフラ投資や税制改革が進まないことを恐れてのことだ。
ますますトランプ政権内のゴタゴタが見えてきて、リスクを取っていられないといったところだろう。このステージではドル円が再び109円台に突入したが、ここも馬鹿正直に突っ込み売りでついて行ったところ、先ほどのロス分くらいは回収することができた。
当人がすぐにこの噂を否定したものの、次はスペインでテロが起こった。最近のマーケットはテロなどには無反応を続けていたので、市場参加者も完全に甘く見ていたようである。確かに株価の下げも急ではなく、ドル円やユーロ円も急落するということはなかった。
しかしまったく戻し場を作らないでの下げ方は、またきついものがあった。どこで売ろうと思っても、戻しがないのだ。「戻り売りに戻しなし」である。ドル円は109円台の中盤まで押し込まれて、そのまま安値引けの形となった。
今晩も市場のテーマはトランプ政権の運営能力とテロなど地政学的リスクとなるだろう。順当に考えれば昨日のリスクオフの分の巻き返しが起こってもおかしくもないとするのが普通だ。
市場のリスク許容度の回復度は株価で測っていくしかないのだが、テクニカル的にはドル円は109円台の中での戻り売りが基本スタンスとなるだろう。先に108円台に安値突っ込みしても、そこはついて行きたくはない気がするが…。
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