先週の金曜日はアジア時間ではドル円はなんとか109円台をキープできたものの、欧州序盤で108円台に突入してきた。108円台というのは今年の安値圏でもあるので、拾いたい人は絶好のお拾い場である。
しばらくは需給的にもビッドが強いだろうと考えて、私は108円台での突込み売りは慎んだ。むしろスモールでもいいからロングにしてみたいところである。
ドル円は108円台のまま値を戻さずにニューヨーク序盤を迎えた。米国株も下げ幅を拡大してスタートし、リスク回避の勢いがますます強まってきた。ミシガン大学の景況指数もほとんど見兎視されて、ドル円も108円台の中盤まで差し込んだ。よほどトランプ政権に対する懸念が強いのだろう。
そこで出てきたのがバノン氏の解任騒動だった。トランプ政権の不安定さを露呈した格好となるものだが、マーケットではこれを好感したようだ。リスクオフの流れはおさまって、米国株は急上昇。ドル円は1円の急反発を見せた。
私は寝てしまっていたが、朝になってPC画面を見ると109円台になっていたので、何かあったのかなと感覚的に理解できた。しかし米国株も戻りは重く、ドル円も上昇分のおよそ半分を押し戻されている。完全にリスク許容度の回復とまではならなかったようだ。
今週は週の後半にジャクソンホールの会議があるので、イエレン議長やドラギ総裁の発言に注目が集まる。しかし逆に言うと、それまでは大きな材料がない。マーケットの関心は依然としてトランプ政権の脆弱さにあるわけで、それがドル相場を弱める方向でワークしている。
またドル円も今年の最安値に近付いてきたので、そこを下回ってきた場合の挙動にも注意が必要だ。とりあえず東京時間では109円台前半で小動きを続けている。
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