昨日はアメリカの税制改革の発表がマーケットの最大の注目点だった。日本株も9月末の配当取りの権利落ちがあったものの、その値下がり分を埋めていくような勢いで株価は堅調だった。
税制改革を期待してアジア時間でのリスクテークの強さがわかって、ドル円も今年の半値戻しである112.75近辺まで上昇。ちょっとレジスタンスとして抵抗はしていたが、どうにもまだ買い足りないようである。
欧州序盤になってドル円は今年の半値をクリアに超えてきて、次は押し目買いモードに移った。これは今年の半値がネックラインとしてワークするだろうとする見込みのもとである。
どこまであがるのか不明だが、買いたいと思っている人は、もう押し目はないかもしれないと考えて行動するだろう。もう112円台の後半は買いゾーンになっているのだ。
私はけっしてブルというわけではないのだが、テクニカルの要請に従ってほんの少々だけドル円を買ってみた。しかしなかなか113円台に乗せてこない~。
ニューヨーク勢も参加してきて、アメリカの経済指標も出だした頃に、ようやくドル円が113円台に乗せてきた。私は早々に利食い売りしてしまったが、見ている限りではとても堅調だった。トレンドフォローだったら、無理して売る必要の感じられないところだ。
これまで税制期待で大いにリスクテークが進んできたのに、さあ、これから出るぞという段階になって、ドル売りが加速しはじめた。米国株も下落していたが、ドル円は112円台のミドルまで突っ込んだ。
つまり夕方での発射台をも下回ってきたわけだ。やはり期待だけで買い進んできたことへの反省も加わったのであろうか。
米議会側から出てきた税制改革案では、これまでの観測通りの内容となった。法人税率は引き下げるが15%は断念して20%にする。所得税も簡素化を図り、最高税率を引き下げる。海外での利益のリパトリには課税しないことなど。
市場は材料出尽くし感で、もうちょっとポジション調整が進むかとも思われたが、存外に株価もドルもニューヨーク終盤にかけては値をもどしてきた。
税制改革の中身は出てきたが、今後の議会審議でも困難が予想される。そうした中で今後の課題は現在の株高・ドル高の水準が維持できるのかどうかということに移りそうだ。
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