週末のカタロニアの独立選挙の結果をうけて、いよいよ独立宣言をするということで欧州の政治問題になりつつありそうだ。ただでさえ離脱で揉めている欧州に、さらに混乱の原因を与えるものである。そのうえ昨日の夕方にはラスベガスでの銃乱射が報道された。ホテルの部屋から狙い撃ちである。
しかもその死者が多数とのことだ。こうした新しい不安材料がもたらされたのに、マーケットの反応は実に一時的なものにとどまった。ドル円やユーロ円といったリスクに弱いとされる通貨ペアは下がったが、それでもこの2週間で上げてきたレベルから見ると下げたりないと言えよう。
欧州時間でのドル円は押し込まれても112円台のミドルまで。株価を盛ればわかる通り、リスクテークしたくてたまらない感じ。だから押し目買いに押し目なしの状態になっている。市場参加者の多くが不安材料視していないことを見てとって、株価は欧州もアメリカも下げなかった。
むしろ地政学的リスクやテロ要因での押し目は買いだと待っていた人々の買い意欲を刺激した格好となって、ニューヨーク時間に至ってもリスクテークが強まった。米国株は史上最高値を更新するというのは、被害に対して何も感じていないという証拠。今日になって日本勢も続けと言わんばかりに、無用なリスクテークが続いている。
さて113円台に乗せてきたドル円だが、やはり先週につけた高値である113.25近辺まで来ると、急激にスピードを落としてしまう。いまだにテクニカルなレジスタンスとして注意が払われているからだ。
ドル円が上昇したことによって、グローベックスセッションではダウ先物やS&P先物といった、昨日に歴史的な高値を更新したものが、さらに歴史を更新してきている。空中戦であるのには違いないが、海外株のほうが一服しないと足元のリスクテークは簡単に収まりそうもない。
今晩はイベントがなしである。よってドル円やユーロ円の高値追いがどこまでいけるのかを試す場となるだろう。材料がない分だけ、価格は短期需給だけに左右されることになる。
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