■米金利のチャートポイント、どれがダマシでどれがホンモノ?
米10年物国債利回りの値動きがカギとなるなら、同利回りのチャートが示すポイントも重要になってくる。
米10年国債利回りの日足を検証すればわかるように、9月安値の6月安値に対する一時の下放れは短期に終わり、その後、10月の高値トライをもって、5月、7月高値の更新を果たしていた。
(出所:Bloomberg)
よって、9月安値と10月高値のどちらが「ダマシ」のサインになりやすいかと聞かれると、既成事実としてやはり9月の安値打診、すなわち6月安値に対する一時の下値更新は「ダマシ」であったと認定できる。
なぜなら、これからの値動きがどうなるかはわからないが、すでに5月、7月高値をブレイクしているだけに、10月の高値トライは「ホンモノ」の確率が高いと言えるからだ。
■あくまで中段保ち合い、これから高値更新の可能性大
ここで注意していただきたいのは、9月安値打診が点灯したサインを「フォールス・ブレイクアウト」と認定するなら、10月高値打診自体がまた「フォールス」、すなわち「ダマシ」のサインになる可能性が低いこと。
換言すれば、10月高値自体が9月安値のサインを証左する条件であった以上、「ホンモノ」のサインになりやすい、ということだ。
この視点では、10月初頭からの、いわゆる「三尊型」形成の疑いがあっても、本格的な下放れを果たせない公算が高い。
言い換えれば、あくまで今は中段保ち合いで、これから高値更新をもって、9月安値を起点とした上昇波を延長させる公算が高い。
■米ドル/円の高値トライを失敗と判断するのは時期尚早!
同じロジックで米ドル/円を検証すれば、同じ結論にたどり着く。
9月の安値トライは、6月、4月安値をいったん下回ったものの、10月高値(もちろん11月6日の高値も)は5月高値、7月高値に対するブレイクを果たした。これにより、9月安値の意味合い、すなわち「フォールス・ブレイクアウト」のサインが証左された以上、上限である高値更新自体は再度「ダマシ」のサインになりにくい。
(出所:FXブロードネット)
一目均衡表やGMMAなどのテクニカル指標で測ると、目先、112円台前半まで深く押してきているが、米ドル/円の基調は、なお強気変動を保っていることがわかる。
つまるところ、米長期金利にしても、米ドル/円にしても、上昇スピードは鈍らせているものの、ブル(上昇)基調が完全に崩れてはいないから、「三度目の正直」となる高値トライ自体が失敗だった、という判断は時期尚早だ。
米ドル/円に限ってみれば、11月6日(月)の弱気「リバーサル」のサイン、目先112円前半のトライをもってその効き目を十分に果たした可能性が大きく、むしろ下げ止まりが期待できるのではないだろうか。
■ドルストレートよりユーロ/円が狙い目かも?
最後に、前回指摘した「クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)よりドルストレートの方が仕掛けやすい」といった見方は、いったん修正する必要があると思う。
【参考記事】
●ドル/円は高値更新なら上昇トレンド加速!今後はクロス円よりドルストレートが狙い目(2017年11月10日、陳満咲杜)
結論から申し上げると、ユーロ/円の高値更新は、なお想定されるべきかとみる。このあたりの理屈はまた次回、市況は如何に。
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