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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

今後はクロス円よりドルストレートが狙い目。
ドル/円は高値更新なら上昇トレンド加速!

2017年11月09日(木)16:02公開 (2017年11月09日(木)16:02更新)
陳満咲杜

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■株と為替の乖離が続いているが、今後どうなる?

 株と為替の「乖離」が続いている。NYダウやS&P500、日経平均が高値更新し続けているが、米ドル全体(ドルインデックス)にしても、米ドル/円にしても伸びきれず、勢いに欠ける

NYダウ 日足
NYダウ 日足

(出所:Bloomberg)

日経平均 日足

 

日経平均 日足

(出所:Bloomberg)

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足

(出所:Bloomberg)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Bloomberg)

(※以上のチャート画像は11月9日(木)14時前後にキャプチャしています)

 もっとも、米国株と米ドルの関連性はそもそも高くないので、米株高が米ドル高に連動という発想はない。

 対照的に、日本株高と円安は連動する傾向が強く、足元の日経平均の強さからすると、米ドル/円の「出遅れ」が一段と目立つと感じる。

 そのわけに関しては、前回のコラムで詳説したので、ここでは重複して説明しないが、強調しておきたいのは、株高がホンモノなら、米ドル/円は早晩高値トライし、パフォーマンス上の「乖離」を縮小していく見通しということだ。これはもはや時間の問題だと思う。

【参考記事】
日経平均2倍以上なのに円安は少しだけ。2002~2007年の市況からヒントが得られる?(2017年11月6日、陳満咲杜)

 言い換えれば、株式市場が崩れない限り、米ドル/円もブル(上昇)基調を保ち、あとはスピードの問題。米ドル/円の上昇モメンタムが強くないからといって、円高トレンドに戻るのでは…といった見方は少なくとも目先杞憂である。

 ゆえに、米ドル/円に関しては、引き続きロング目線で臨むのが適切であろう。

■米ドル/円が出遅れた理由とは?

 米ドル/円の「出遅れ」は、テクニカル要素からみると115円の心理的大台乗せにいったん失敗しているところが大きいが、円のショートポジションが積み上げられ、米ドル/円が上昇するたびに利益確定の売りが出やすい、という側面も大きいだろう。

 ファンダメンタルズにおいては、やはり、米税制改革の進捗や米長期金利の水準に影響される。こちらは米ドル/円のみでなく、米ドル全体の頭を押さえ込む要素としてフォローしていく必要がある。

 米減税案の中身に関する米与野党の攻防が続いているが、ゴールドマンサックスの予想では来年(2018年)春に成立する確率は65%ほどある。米長期金利(10年国債利回り)は先々週(10月23日~)いったん2.477%まで上昇してからやや反落してきたものの、5月、7月高値のブレイクを果たしただけに、これからも切り返していくと思われる。

 したがって、米ドル/円がいったん5月、7月高値を更新したものの、再度反落してきたのは、米長期金利と連動している側面があり、また、米減税案審議のゴタゴタに影響されたことが大きいからと言える。

 さらに、トランプ米大統領訪日に伴い、米サイドの円安牽制や北朝鮮挑発の懸念が浮上してきたことも、米ドル/円の頭を押さえ込んでいると言える。

 この意味では、米ドル/円が11月6日(月)にいったん5月、7月高値を更新したものの、その後、続かず、軟調な推移に留まっているのも仕方がない。

■米ドル/円は従来のレジスタンスが一転サポートに

 とはいえ、112円台前半~113円節目前後のサポートゾーンを維持する限り、米ドル/円はなお、ブル基調を保てると見なし、また、いろいろな材料があっても途中の「押し」は浅くて済む、という可能性のほうが大きいのではないかとみる。

昨日(11月8日)の安値は113.40円だったが、10月6日(金)高値113.44円と整合性が取れる。簡単に言うと、かつてのレジスタンスが一転してサポートになった可能性が大きく、ゆえに、ブルトレンドも維持される公算が高い。

米ドル/円 日足(クリックで拡大)
米ドル/円 日足

(出所:FXブロードネット)

 10月6日(金)の高値がなぜ重要かというと、同日のチャートの足型の意味合いが重要だったからだ。

10月20日(金)の本コラムにて開示したレポートのとおり、10月6日(金)の足型は、「フォールス・ブレイクアウト」、あるいは「フェイクセットアップ」、すなわち高値更新自体が「ダマシ」であったという疑いが持たれていたが、その後、高値を更新したことによって、それが一転トレンド継続、また加速のサインと化したわけだ。

【参考記事】
現在のドル/円日足チャートはユーロ/ドルが6月に上昇し始めたときと同じサインが点灯!(2017年10月20日、陳満咲杜)

 だから、10月6日(金)の高値前後で、昨日(11月8日)の「たくり線(※)」風の足型をもってサポートと確認できれば、途中の調整が浅く済み、また週初(11月6日)の高値を再打診して、さらにブレイクしていく確率が高いと推測される。

(※編集部注:「たくり線」とは、底打ちを示唆するとされる足型)

 同じ視点でいくと、11月6日(月)の高値トライでいったん5月、7月高値のブレイクを果たしてから反落してきたので、高値更新自体が「ダマシ」であった疑いもある。

米ドル/円 日足(クリックで拡大)
米ドル/円 日足

(出所:FXブロードネット)

 が、米ドル高がホンモノなら、ここから再度高値更新を果たし、11月6日(月)の「上ヒゲ」陰線がもたらした疑いを消す値動きが見られるだろう。

 この場合、一転してトレンド加速のサインと化すから、3月高値の115.50円のブレイクは必至とみる

■再度高値更新があれば、今度こそ上昇モメンタム強まる!

 もっとも、より長いスパンでみれば、9月安値がいったん2017年年初来安値を更新していたことが見逃せない。

 そこから5月、7月高値のブレイクを果たしたから、同安値が典型的な「フェイクセットアップ」のサイン(つまり安値更新がダマシで、逆に上昇波がセットアップされた)を点灯し、大型レンジの打破を示唆している。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:FXブロードネット)

 変動レンジの値幅分を上乗せする、いわゆる「倍返し」の計算なら、120円の大台を越えていくことが推測される

 もちろん、現時点でそこまでの上値ターゲットを定めるのは性急な話だ。ただし、前述の9月安値が示した大きなサインが正しければ、ここから3月高値のブレイクを果たし、年初来高値の118円台へ戻る、といった可能性は十分あるだろう。

 米ドル/円の上昇モメンタムはだいぶ押さえられてきたが、再度高値更新があれば、今回こそ強まっていくと思う。

■ドルインデックスも、再度高値更新があれば上昇勢い強まる

 上昇モメンタムが当面押さえられているものの、総じて高値圏での保ち合いを維持、再度高値更新があれば、切り返しのモメンタムを強めていく可能性は、ドルインデックスにおいても同じと言える。

 「逆三尊(※)」というフォーメーションが確立され、また、逆三尊が示すターゲットに到達していないうちは、弱気不要だ。

(※編集部注:「逆三尊型」はチャートのパターンの1つで、「三尊型」と反対に、底を示す典型的な形とされている)

ドルインデックス 日足
 ドルインデックス 日足

(出所:Bloomberg)

 ドルインデックスとの関連性という意味では、前回のコラムでも指摘していたとおり、ユーロ/米ドルの下落トレンドの方が、よりフォローしやすいかもしれない。

【参考記事】
日経平均2倍以上なのに円安は少しだけ。2002~2007年の市況からヒントが得られる?(2017年11月6日、陳満咲杜)

 このあたりの詳細は、筆者が昨日(11月8日)配信したレポートをもって説明したい。本文は以下のとおり。

ユーロ/米ドル 日足(11月8日作成、クリックで拡大)
ユーロ/米ドル 日足

(出所:FXブロードネット)

2日レポートでは、10月26日のサインに続き、トレンド継続のサインを予想していたが、一日遅れた形で翌日3日の罫線をもって点灯された。同サイン、トリガーの後に続いただけに、ユーロのベアトレンドの維持や加速を示唆するものだったと見る。

既述のように、ベアトレンドを開始させたトリガーは10月26日の大陰線、弱気「リバーサル」や「アウトサイド」のサインをもって「ネックライン」を割り込み、日足における大型「ヘッド&ショルダーズ」の下放れを確認したわけなので、下落波が続くはずだった。

一方、ネックライン割れとは言え、忽ち急落とは限らず、往々にしてもう一回ネックラインの役割(即ち元サポートがレジスタンスになったかどうか)を確認してからトレンドを加速していくケースが多い。

その確認、3日まで続いたが、確認済のサインを点灯していたことも明らか。10月26日の大陰線と同様、弱気「リバーサル」や「アウトサイド」をもってトレンドへの復帰や加速を示唆していたから、ここから下落トレンドが維持される公算は高く、また下落モメンタムの強まりもこれからであろう。

詰まる所、10月26日の罫線はネックライン割れを確認、11月3日の罫線はネックラインの役割転換を確認した。同じサインだが、前者はトリガー、後者は続くシグナルなので、大型「ヘッド&ショルダーズ」の蓋然性が一段と証左されたでしょう。ユーロ売りのスタンスを維持、資金余裕のある方は追撃を。

■今後はドルストレートの方がフォローしやすいかも

 最後に、筆者の見方が正しければ、ここからはドルストレート通貨ペアの方がフォローしやすくなり、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の方がややこしくなる可能性がある。

 なぜなら、米ドル高が円安、ユーロ安をもって実現されるなら、ユーロ/円の方は結局、ユーロ安と円安のスピード比べになるからだ。事前に読みにくいぶん、ドルストレートのフォローに徹底したほうが得策か。

 市況はいかに。

(12:30執筆)

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今井雅人