昨日はFOMCであった。すでに十分すぎるくらいマーケットには織り込まれていたので、何の驚きもない。またイエレン議長が辞めることも決まっているので、そこから出てくる発言にも説得力が低下している。
期待の少なかったFOMCではあったが、先行きのインフレ率の見通しが従来のものと変わらなかったということで、それが米金利に低下を促した。やはり来年も延びないインフレ率に悩まされるというシナリオだ。
それが呼び水となって為替相場ではドル安が進行。大幅ではないのだがドル円が112円台の中盤まで差し込んだことで、日経先物は下がったが、米国株は腰が強かった。
これで今年のFOMCはすべて終わったのだが、今年の会合はすべてが予想通りであった。年初からあった年4回のタイトニングの見込みはまさしくその通りになった。あまりにも予想通りなので長期金利はほとんど動かなかった1年となってしまった。
10年ものの利回りベースで上下0.5%ほどしかレンジがない。長期金利は短期金利の足し合わせである。もちろん将来の短期金利の分は見込みなのだが、それがまさしく予想通りだったのだ。長期債の値動きのなさが為替や株価など、すべての相場のボラティリティ低下を招いている。
さて今晩はイギリスとECBの金利会合がある。これも予想通りであるのは疑いもないが、強いて上げれば会合の後のドラギ総裁の記者会見であろう。ドラギ総裁も任期が残り1年ちょっととなっているだけに、ここで出口戦略を打ち上げたいところだ。
すでに10月に買い入れ資産の圧縮は公表しているが、償還を迎えた債券の再投資などについても触れるとタイトニングの一環と受け取られてユーロの金利先高観が生ずる。これは素直にユーロ高に反応することになるだろう。
とくに足元ではユーロの売り材料が目立ってない中、ユーロドルが再び1.20台の方向に走る材料にはマーケットは飛びつくはずだ。ゆくえをウォッチしたい。
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