昨日はクリスマスなので、世界中、どこもやっていない。したがってキリスト教国でない日本などで少々、端っこをやっている程度。だから為替相場も動かない。今日も欧州勢が参入してくるまでは動意薄の状態が続くわけであって、本格的な動きはニューヨークオープンまで待たないといけないだろう。
今年の振り返りの第3弾である。為替レートと一緒にするのはどうかとも思うが、仮想通貨であるビットコインは無視するわけにはいかない。通貨であるかどうかの議論はおいておいても、実際にBTC-USDという相場が立っており、そこでの値動きによって実際にお金が動くのだ。実体があると考えて臨まないと足元をすくわれてしまう。
今年、大きく話題をさらったビットコインだが、年初から1000ドルを超えて始まった。これまで300から800の間で激しく動いていたのだが、ついに上抜けという感じ。しかし1000というのは今から考えると、ほんの通過点でしかなかったようだ。
何度も分裂と合併を繰り返していたのだが、不安を抱えながらも10000ドルも突破。12月には先物取引が上場されるということになって、ついに20000近くまで上昇した。先週末に10700まで下がったというのも、極端といえば極端な下げである。
しかしビットコインの取引主体が公表されたが、対円が最も多く、約半分を占めるという。対ドルも含めると、ビットコインでトレードしているのは、ほとんどが日本人だけだったということなる。
それまでは自国通貨に不信の高い中国人が回避的にビットコインに殺到していたといわれていたが、まったくの合理化であり、イリュージョンだったわけである。日本株と同じように日本人しかやってなさそうだというのは、識者の指摘するところである。
ここで重要なのは誰が買っているのかではなくて、そのリスクのありようである。完全にビットコインはリスクテークの一環に供されており、株価よりも敏感なバロメーターになりつつある。株価が高いときにはリスク許容度も増大して、ますますビットコインの買いに弾みがつく。
怖いのは反転したときだ。仮想通貨の価値下落が半端なものではないのは容易に想像がつくが、これが株価や為替レートなど市場に与えるネガティブサイドへの影響のすごさである。スマホのアプリを使ってビットコインで支払いができるというのが、実体経済との結びつきだ。
しかしビットコインの対ドルレートが何倍にも上がってしまうと、ビットコインの仕入れ価格も高騰する。それでもビットコインで支払う人はいるのだろうか。使えないお金ならば、まずは通貨としての機能に問題がある。
またビットコイン建ての表示価格は、値下げされているのだろうか。そうでもしないと売り手側のほうも手取りが確定せずに困ったことになるだろう。商品やサービスの値段が毎日、激しく変わるというのも、通貨としての存在意義を薄めることになる。
我々はトレーダーとしてビットコインの値動きにしか興味がないが、実際の運用の在り方にも目を向けていかないとファンダメンタルズを無視した取引をすることにもなりかねない。来年もBTCは要ウオッチ材料であるのは間違いない。
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