昨日はアジア時間が終わってドル円は109.70あたりで、これは前日の高値近辺のレベルであった。つまり市場としては今日はリスクテークの番だと考えているのだろう。そして実際にグローベックスでの米国株も高かった。しかしちょっと変調をきたしてきたのは、イギリスの金利会合あたりからであった。
BOEの金融政策に注目が集まっていたわけではない。その後のカーニー総裁の会見において、最近マーケットが神経質になっている金利上昇の話題を持ち出したからだ。国内のインフレ圧力は強いという認識を示し、そして利上げのペースが早まるかもしれないという見解を表明したのだ。
これを契機に世界的に金利が上昇を始めた。それまで調子よくショートカバーしていた欧州株や米国株も、上値の重さを感じさせるような展開になってきた。
ニューヨーク時間が始まって最初のうちは米国株も値を保っていたが、米国債の10年ものが2.88%まで上がってくると、もうダメだ。マーケットは全体的にリスク回避に向かうことになった。私もこれで方向感を見定めたつもりになって、ドル円を109.18で売り込んだ。もう日付が変わってしまっているので、損切り注文だけを109.35で出しておく。
ニューヨーク時間の後半に米国株は急降下した。株価の動きから察すると、戻りを必死に待っていたところが、元には戻らない。すでに買い込んでしまってあるリスク資産は大きな評価損を含んで、すでに2営業日を経過している。多くのマージンコールが発せられて、ポジションの始末を共用されているからだろう。
引けにかけて大きく下がるのも、その証左である。評価損が出て売らないといけないということは、要りもしないのに買っていたということだ。本当の意味での投資家は誰もこんな高い株は買わないものだ。バリューオーバーだとペイしないからだ
ドル円は108.65あたりまでを安値として、戻り切らずに朝を迎えた。私も108.84で買い戻してトレード終了。そして今日のアジア時間までは108円台の後半をウロウロしている。
今晩は材料が少ないので、長期金利の動向と合わせた米国株の上下動に振らされることだろう。これは今週を通じての市場の関心事である。金融当局がさっさと利上げのペースを速めないので、長期金利のちょっとした上昇がマーケットを動揺させる展開が続くことになりそうだ。
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