昨日はアジア時間ではドル円は105円台のミドル付近。そして今年の安値である105.25も間近という感じで、いつ下ブレークしてもおかしくはない状況だった。相場というものは安いとますます売り圧力が高まるものである。
そして欧州序盤ではドル円の安値攻めが始まった。グローベックスでの米国株も同様に安値攻めをしていたので、世界中で一斉に同じ向きに走り出したというところだ。
しかしこのステージではドル円の安値割れは完遂できなかった。前回の安値を抜けられなかったことがかえってサポート感を出してしまうものだ。すぐにはドル円は上がらなかったが、結果的にはこのポイントがこの人な安値となってしまった。
私が何も持っていなかったのは、105円台の前半では売れないからである。やはり前日の安値がサポーティブにワークするのを嫌ったからだ。もちろんベアなので、どこかでショートメークしたいと思っている。それならばどうせ売るならば105.20を下回ってきてからでもよいのではないかと考えたからだ。
昼間からショートにできないくらいに、ドル円は中途半端に安かっただけである。世界的にリスク動向はトランプ政権の貿易問題の扱い方に振らされている。今週にも大統領令に署名をするといっていたが、共和党の内部からもかなりの反発が出てきており、単純な道筋ではいかないようだ。
関税を引き上げるのは難しいとなれば、これまで不安視して売り込んできた株は買い戻されるというのが道理。そこで昨日の海外市場では株価は総じて堅調な地合いを呈し、米国株は大幅高となって、そのまま高値引けに近い形となった。
ドル円もなんとか106円台まで押し戻された。リスクテークの流れの強さは、クロス円のよく表れている。ユーロ円は129円台の前半まで押し込まれていたのに、そこから2円弱の反発。131円台まで見るに至っている。
昨日の株価の戻しはあまりにも関税について楽観論が蔓延し過ぎているからのように思われてならない。果たしてそんなに気楽に構えていいものか。トランプ大統領の発言を中心に、政府要人の発言に振り回される日が続きそうだ。
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