先週の金曜日は南北会談の話だけで世界が盛り上がった。何か平和的な歩み寄りができそうだという希望的観測が高まったからだ。つい先日まで激しい顔してミサイルを発射し続けていた人間が、笑顔で握手をして歓談している。なんとも奇妙な光景ではあった。
日本としては地理的に近いので、現状維持だったら飲めないところ。つまり現有の核保有を認めるわけにはいかないといったところだ。しかし米国をはじめとする海外勢は違った意見だ。現状は認めるにしても、これ以上の開発を阻止できればよいという考えである。
確かに遠くにいる人びとにとっては目前の脅威がなくなるほうが、望ましい状況であろう。当事者の韓国も北朝鮮がミサイルの発射ボタンを押さなければそれでいいとする考えが強いようだ。多少の軍事的脅威には目をつぶっても、南北が交流、できれば統一まで持っていくほうが優先するという立ち位置だ。
微妙な立場となってくるのが中国とロシアである。アメリカ主導となる米朝会談で半島情勢が変化することを、このまま放置しておくのかどうか。トランプ政権は半年後の中間選挙までに短期的成果を欲しがっているのも事実だ。
為替相場は欧州序盤にドル高に進んだ。南北会談で共同声明が打ち出され、実現可能性はともかく、完全非核化が謳われたからだ。しかしニューヨーク時間では値が保てず、かえってドルの利食い売りを誘ってしまい、元のレベルまで押し戻されている。
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