金曜日は為替相場が狭い値幅のうちにとどまった。ドル円もユーロドルも50ポイントくらいのレンジ内に収まっている。最近に進んだドル高に、いちおうのストップがかかったようだ。ドル金利の上昇に端を発したドル高だったので、全通貨が対ドルで同じような動きを示している。
ドル円は今年の安値が104円台だったが、底から110円タッチまでだから約600ポイントのドル高を演じた。ユーロドルは1.24台から1.18台までだからこれも600ポイントである。
ポンドドルは1.35台だったので、それが1.34台を見るまでに至ったのだから1000ポイント近くだが、ポンドのほうが値段の大きさからして5割増しである。だから順当なドル高だと言えよう。
ところで先週に発表されたトランプ政権の薬価政策には、若干の失望を感じられるものがあった。それまで「患者ファースト」をうたって高すぎる薬品価格を押し下げるために、いろいろな政策が打たれるものと期待されていたからである。それで薬品業界は戦々恐々となった。
ヘルスケア関連の株価はトランプラリーの中でも、いちばん割を食っていた。しかしそれが何の言及もなし。政治的には薬品業界に配慮したことにもなるのだろうが、それでは政権発足前からの公約を無視したことになる。これでは同じく期待がもたれている石炭業界や鉄鋼業界も、約束を反故にされるのではないかと不信に思ってしまうことにつながる。
結局のところ、口だけだったのではないか。ただのリップサービスだったのではないか、と。そしてこの発表を受けてヘルスケアセクターが大きく値上がりを始めたのは、なんとも皮肉な状況である。
そして今週はNAFTA交渉の期限が迫る。世の中のコンセンサスでは合意に至らないであろうとのこと。当然である。途中経過を見ても、メキシコが反対したりなどして全然話がまとまりそうにもない。アメリカがゴネている限り、話し合いの延長ということになるしかない。まさかの離脱もありうるのだが、そうなると短期的な経済的打撃は避けられない。
また米中の貿易協議も先延ばしにされそうだ。今度はアメリカで開催される予定だったが、明確なアジェンダの進展が見られないからだ。「ただやりました」というやった振りだけは避けたいのだろう。アメリカとしてはEUとの貿易関税の話を先に進めたいところか。
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