昨日はアメリカのFOMCであった。すでに6月利上げは完全に織り込まれているのだから、夜中に利上げを行うのは確実。利上げは企業コストの増大につながる。それがわかっているのに昨日の東京市場では日本株の買いが膨らんだ。
都合のいい解釈で、利上げをしても平気なくらいに米景気は良いのだという発想。ファンダメンタルズに背いた株買いが続き、日経先物は22930円まで上がった。これはちょうど現物株に直すと、23000円の大台にはギリギリで届かず抵抗したことを意味する。
そしてFOMCの結果は、事前の予想通り。そして年内の利上げも4回に修正された。修正したのはFRBという役所の文面で合って、それが3カ月前のものから変更されたというだけで、すでに自由な市場ではドルの短期金利は年4回を完全に織り込んでいたので、マーケット的にはまったくのノーサプライズとなった。
実際に為替相場でもドル円は50ポイントも動いておらず、年4回がビックリモノだったならば1円級の上げは起こったはず。米国株も実に小さい値幅でとどまり、外部環境が動いていないのだから、為替相場もダイナミックな動きをしようはずもない。
しかし評論系のコメントで「年内4回利上げに変わったのが特筆すべきこと」などと言っているのを耳にした。だいぶ呑気というべきか、ドル金利は短期も長期もほとんど動いていない。いったい何を見ているのかといいたくなるが。
当面の材料出尽くしで、ドル相場は軟化する傾向が強まりそうだ。年4回の利上げを理由に買ってくる連中のビッドが出てくるのだけは避けたいところだが、それもドル円が109円台にも突入したら勢いはなくなるだろう。本日はドル円の戻り売りスタンスで臨む。いうまでもなくユーロドルでもよい。ユーロドルの押し目は拾っていくのだ。
また今晩は注目のECB会合だ。タイトニングの姿勢をどこまで積極的に打ち出すかが重要である。ドラギ総裁は立場上、「なにかあったら即、緩和」というだろうけど、それはショックアブソーバーである。真に受けてはならない。
ユーロ買いというのも長くは続かないだろうが、ここ1、2週間の戻り高値である1.18台の前半を抜けてくれば、跳ね上がる可能性を秘めている。プライスアクションを要ウォッチしたい。
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