昨日はアジア時間でもドル円は重い足取りを強いられた。株価上昇の局面でも、ドル円は110.70あたりがキャップされているかのように振る舞い、かえって上値サイドにオファーを集めてしまう結果に。
やはり先週末の米中の貿易摩擦に拍車がかかるのを懸念してのことであろう。米中双方ともにマッチポンプ的な猿芝居のようなことをやっているようだが、安定さを臨むマーケットではやはり悪材料とならざるをえない。
売れないものはオファーを下げてでも売らないといけない。しかし海外市場での為替相場は、実に狭い値幅での動きに終始するだけだった。
だが今日になって、早朝のセッションで、トランプ大統領が再び対中関税の金額を引き上げを指示した。これでリスク回避は決定的となっている。ドル円は110円台の前半まで押し込まれていたが、このレベルにはいかにいかにも材料不足。しばらくもんだ後は、109円台に突入した。
今日は住宅着工件数しか経済指標はない。これ自体は重要な部類に入る経済指標なのだが、いかんせん市場の関心が米中貿易に向かってしまっている。貿易摩擦のほうが重要度が高い。しかるに今しばらくはリスク回避の動きが続きそうだ。ドル円は確実に戻りを売っていくべきであろう。
ここ最近、米中問題が出てきても、すぐに株価などが回復するパターンがよく見られた。だから底値は売り込みづらい状態となっている。どうせまた1日待てば元に戻るのではないかという楽観的観測のほうが結果を出しているからだ。
今回はより本格的なリスク回避になるかもしれないということを念頭に置いておきたいところである。109円台のドル円が、まだまだ売っていけるレベルなのかも。
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