週明けのマーケットでは、いよいよトランプ政権での揺さぶりが気にかかるところだった。為替相場にも言及したことで、どこまでドル安が進むのか。またドルの金利高にも懸念を示しているので、金利動向も気になるところだった。また先週の金曜日には珍しく円債相場も軟化したので、そちらのほうも気になるところだった。
昨日は朝からドル円が下がってきたので、トランプ大統領の注文通りの動きとなった。それを心配してのリスク回避が出てきて、日本株も下がる。私も素直に朝からドル円をショートに振ることができた。
もちろん先週のレベルから見ると、もうすでに安値を下回ってきている。それも苦にならないくらい、スムーズにショートメークできた。それだけファンダメンタルズ的な要因で周囲が埋められていることもあったからだろう。
ドル円は早々に110円台に突入。重い足取りが続きながらも、安値は110.75までだった。欧州序盤には111円台を復活させている。私はもっと大きなディップを期待していたのだが、昨日のアジア時間では底は深くはなかった。
次の金利会合では長期金利のコントロールのあり方を変更するのではないかとの観測にさらされていた日銀だったが、久しぶりの国債指値オペをやることによって市場に安心感を与えることに精を出した。しかしオペはビッドだけなので、約定は1枚もなし。
意思表示とやった振りだけだ。そういえば先日に買う気もないのにビッドを出していた金融機関が罰金を科された。日銀ならばいいのであろうか。マーケット的には同じ効果でしかないのだが。どちらも相場操縦という意味では同じようなものなのだが。
円債相場の下落は世界的にも影響を与え、欧州債や米国債も利回りが上昇。円資金の緩和姿勢が間接的にでも、グローバルに影響を与えてきたことが証明される形となった。しかしこれとてもトランプ大統領が臨むところのドル金利をもっと下げり、つまり他通貨はもっと金利を上げろという要請にも合致したものだ。
今日も世界的に長期金利の行方が要ウオッチだ。特に来週に金利会合を控えた日銀の発するメッセージには警戒を要する。できるだけマイルドに金利会合での文言を変更したいところだろうが、どちらにしても出口戦略に通じる話であることには間違いがない。
つまるところハードに着地するか、ソフトランディングを目指すかの違いだけだ。上手に作った作文であっても、市場はそうは受け取らない可能性もあるのである。
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