昨日はアジア時間に中国サイドから米中協議が8月後半にも再開されると公表したことで、マーケットは急速にリスクテークに傾いた。中国株も大きく下げて始まったところだったが、この報道で流れは反転。日本株も上昇し、為替そばでもドル円は30ポイントほどだけだったが、じり高の展開となった。
しかしこれはあくまでも期待先行という感じなのはいなめない。その後のドル円レートはほとんど動いていない。トルコ問題ではあれだけ敏感に反応したのに、今回の中国の話では目立って円安になっていないのだ。
依然としてドル円の大台は変わらずで、110円台のまま。それもそのはずで米側の発表では、対中の交渉相手はUSTRなどの専門部署ではなくて、財務省の一部局だということだ。
今回の協議からは明確な結論や成果が期待されていない現れだとも考えられよう。そういうわけで上がってしまったドル円の111円ちょうどに近づいたところからは、とてもロングでついて行く気にはなれなかった。
そうした事情を反映してか、ニューヨーク時間の午後からはリスクテークの勢いはおさまり、米国株には利食い売りが集中した、またトランプ大統領も「中国は満足な対応を示さないだろう」と言って、期待できない会談になるだろうと予想している。
クロス円の売り圧力は強いのが確かめられた。戻りの重さが判明したのだ。ユーロドルも1.14台まで値を戻す局面はあったものの、ユーロ円での売り圧力のせいで、1.14台のせでは積極的な売りものにさらされた。
またBRXITに関しては協議に明確な進展が見られなかったとして、期限である10月にはハードBREXITも避けられない可能性が出てきたとして、いくつかのシンクタンクがイギリスのリスクを指摘。ポンドもかなり下落を余儀なくされるだろうというコメントも出てきている。
今晩も株価が高値圏を維持できれば、何も起こらないで小動きに徹するだろう。リスク回避になるかどうかはトランプ大統領を含め、外国の要人発言に寄る。予測ができないだけに予測して行動はできないのだが、不必要な損益を出さないようにストップロスなどの設定は忘れないようにしておかないといけない。
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