週明けの昨日のマーケットでは、早朝のグローベックスセッションからすでにリスクテークの流れを醸していた。それはアメリカ株の代表的な値段であるS&P先物が、史上最高値を超えてきたからだ。
そして買い戻しのストップロスを誘発しながら米国株は高値追いをするものの、明確な利食い売りが出てこず、値崩れはしない。それが日本株にも影響を及ぼして、東京市場でも日本株は値上がりに弾みがついた。
米国株は大幅高で始まったが、これはすでにグローベックスで上がっていたので、驚きはない。その後の値保ちだけが気にされただけだ。アメリカとメキシコの貿易交渉がまとまったということで、リスクテークは力強いものとなった。
そうした流れの一環で、昨日のクロス円は強かった。クロス円はリスク相場に敏感とされる。ユーロ円は130円ちょうどの手前まで持ち上がった。ユーロドルを含めて、ユーロは緩やかながらも一方的な上昇を演じた。
クロス円の堅調さに比べると、ドル円の頭は重い。これはジャクソンホールでのパウエル議長の発言内容が従来のものと変わらなかったことが、ドル相場の先高感を招かない理由となっているのだろう。
とくに利上げペースを速めるわけでもないし、長期金利のレベルもほとんど安定しているからだ。どちらかというとドル売り圧力のほうが強そうだ。先週の一連のイベントに向けてドルロングのポジションがややたまった感があるからである。
今晩も大きな経済指標はないが、言うまでもなく高値圏で張り付いている米国株の値動きに要注意だ。スピードがなくても高値圏をキープしていられるのであれば、ユーロ円は一段高に向かう可能性が高い。
また反対に株価に調整の動きが出てくれば、文句なくユーロ円は売られる。メキシコとの貿易問題が落ち着いただけで、カナダは難色を示しているし、中国も妥協する姿勢は明確に表していない。トランプ大統領のツイートをはじめとして、要人発言の比重が高まっている。
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