昨日はアジア時間に中国株が反発気味だったので、市場の新興国不安はやや薄らいだ。それで欧州序盤ではドル円やユーロ円で高値追いが始まった。リスクテークになったのである。ドル円も111円台の中盤まで持ち上がって、これでヤレヤレ感じでニューヨーク勢の連休明けを迎えるのかと思われた。
しかし南アフリカのGDPが悪かった。前回もマイナスだったので、これで2四半期連続なのでリセション入り。これがマーケット全体のムードを悪化させた。トルコの通貨などもツラレ安に向かった。
ドル円も上げ基調から一転して、リスクオフから頭が重くなった。南アというのは、ちょっと忘れていた新興国であった。市場もノーケアだったらしく、ちょっと課題に反応しそうであった。私もドル円を111.33でショートに振ってみた。これでニューヨーク勢の反応を待ちたいところ。
しかしニューヨーク時間に入っても、ドル円はあまり下がらなかった。むしろブラジルやロシアなどの新興国通貨が売られていく過程で、その回避通貨としてドル高の傾向が強まったのである。ユーロドルも安い。ドル円は下がりそうもなかったので111.48でやめてしまった。
米国株もグローベックスセッションでは下げていたのに、徐々に値を戻してきたからだ。これではリスクをリスクとして感じていないんだなと思ってしまう。放っておくとドル円はそのまま持って行かれてしまう。結局、ドル円はニューヨーククローズに至るまで下がらなかった。
今晩はアメリカの貿易収支が出る。貿易摩擦が問題視されているので、貿易関連のデータが重要なのだが、今日からカナダとの交渉が再開する。そこから出てくる要人発言の方が大切となろう。アメリカサイドは「カナダが合意しなければメキシコと2国間で」というように強気なことを言っているが、アメリカにもカナダと合意できない場合の弱みはある。
議会で批准のための法案が通りにくくなるのだ。だからトランプ政権としても妥協点を見いだしたいところのはずである。それが表に出てくると、大きくリスクオンになってしまうかもしれないのだ。
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