昨日はいよいよ対中の貿易制裁の第3弾が近づいてきたということで、アジア株は大きくスランプに落ち込んだ。中国株は3年10ヶ月ぶりの安値圏へ。中国が打撃を被っているのだから、その恩恵に属している周辺国の株価ももろい。香港、台湾、韓国、オーストラリアの株価も、追従的に大幅安に向かった。
アジア時間では概ねリスクオフの流れになるはずだったが、しかしそれに逆行して高かったのは日本株である。日本が休日のため海外での日経先物しかインディケーターはないのだが、これが金曜日のナイトセッションにつけた高値である23095円をも超えてきたのだ。
日経先物がゆるまないので、いまひとつリスク回避の流れには乗れない。それがドル円の下げに歯止めをかける格好となった。ドル円は下がっても112円ちょうどを割り込むくらいで、111.90をも割り込んでこない。日本だけが世界の潮流から外れているみたいだ。
その一方でユーロやポンドなど、他の主要通貨ではドルが下げ幅を拡大。結果としてのクロス円の上昇が引き起こされた。
ニューヨーク時間の終盤でトランプ大統領が対中の追加制裁を口にし出したので、ようやくドル円もオファー気味の展開となってきた。そしてニューヨーククローズ後になってドル円も下げに向かった。今度はユーロドルやポンドドルが上がらずに、ドル円といっしょになって落ちてきた。今回はクロス円の下落を引きずっている。
しかしそうしたドル円、ユーロ円の下げも限定的で、東京オープン直後にポジション調整のためのリスク回避が進んだ後は、再びリスクテークの様相となっている。
今日はイベントと言えば南北会談だけである。これは想定の範囲をはみ出すことはなかろうかと思われる。あくまでも年内にも開かれるかもしれないとされている米朝会談をスムーズに持って行くための事前の調整にとどまるだけだろう。
また対中の貿易制裁の第3弾は10%から始めるという。これで目先のショックは吸収されたものと見た方がいいのかもしれない。後は小出しになるだけである。後はグローベックスでの米国株がマイナス圏から脱することができるかどうか。これがリカバリーしてくれば、そこからドル円を買っていっても遅くはないだろう。
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