昨日の東京時間では日本株がひたすら下げた。これは安倍首相が消費増税を予定通りに行うことを発表したからなのか。来年の10月に税率を引き上げることは周知のことだったし、いまさら「もう延期はしない」といったところで、ノーサプライズのはずである。
日本株だけが過敏に反応し過ぎたものか、為替市場ではまったくリスク回避に向かう勢いが感じられなかった。ドル円は確かに111円台に突入してきたが、とてもリスク回避をしたがっている下げには見られないのである。
そもそも週末にはもっと円相場に関連することも出ていた。ムニューチン財務長官は日本との交渉において為替条項も必要だと言っているし、一方でトランプ大統領はマティス国防長官を更迭しそうな雰囲気もかもしている。
どちらをとってもドル売り要因であり、円買い要因である。ストレートにドル円でも売っておけば良さそうなものなのに、早朝の時間帯からほとんど反応がないのだ。マーケットはドル円の下げ要因としてクリティカルに受け止めていないということだ。
夕方になって欧州序盤ではリスクオフがやや強まったが、ドル円は111.65あたりまで。結局、一日が終わってみると、このステージでつけた安値がその日の安値になっている。実際にニューヨーク時間ではほとんど為替相場は動かなかった。ドル円も2ポイントほどしか動かず。
その間、米国株の方は上下に大きく動いていた。ネットフリックスの目標株価が引き下げられて、それがハイテク主導で米国株は大きくへこんだ。しかし徐々にショートカバーが優勢となってきて、ランチタイムを過ぎる頃には前日比でプラス転。
私はたまたま起きて見ていたのだが、朝の4時過ぎにはブレーキングニュースということで、サウジアラビアが領事館内でジャーナリストが死亡したことを認めるらしいと伝わった。その時点から再び米国株は軟化。
私もそれでやっとドル円を売ってみたのだが、心持ちでは下がっても値幅はしれていると思ってしまっている。しかるにポジションカットも早まる。案の定、私は111.82でほぼ同値でやめてしまっている。
今晩も経済指標はマクロよりもミクロで動きそうだ。モルガンスタンレーの決算がニューヨークオープン前にあり、クローズ後には昨日、問題になったネットフリックスがある。米国株はボラティリティが増しており、値が軽いので、リスクの動向には気を配っておかねばならない。しかしドル円も値動きが軽くなるのは、いつのことか。今日も動きそうもないドル円に愚直に手を出すことになるのかな。
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