先週の金曜日は東京市場では様子見気分が広がった。これは週末に控えた米中協議の結果を見たいということでもあった。東京時間では日経先物は100円のみの値幅だった。しかしこの週で進んだことは明らかに株高であり、リスクテークである。
日経先物は800円近くも上がってしまっているのである。だからマーケットは暗黙のうちに米中協議では何らかのリップサービスが出るのではないかと期待している。またトランプ大統領もそれを大袈裟に手柄として誇ることだろう。
ニューヨーク時間になっても米国株は小動きが続いた。アルゼンチンで開かれているG20の方面からは目新しい貿易マターが聞こえてこないからだった。一方でドル金利は低下傾向を示しており、10年ものの利回りは3.00%の大台を割り込んできてきた。これは株価の高さとそぐわない動きだ。
為替相場ではドルの全面高となっている。特にユーロドルは戻り場をほとんど作らずに下げる一方だった。これも株や金利とはマッチしない動きだった。ドル円はニューヨーク終盤でやや下げたが、終日にわたって113円台にステイした。マーケットの行きたい方向を探るには週明けを待つしかないということだった。
さて土曜日の米中会談では、ほぼ想定内のことしか起きなかった。来年1月からの関税引き上げを棚上げにしたこと。中国はもっと米製品を購入することなど。予想通りとは言いながら、アメリカがしつこく求めていた「中国の国内企業への補助の廃止」や「海賊版の取り締まり強化」などは含まれていなかった。
それでも朝のマーケットの反応を見る限り、当面の衝突は回避されたことを交換しているようだ。ドル円は先週末のレベルよりも30ポイントほど上がってスタート。だからといって大きなリスクテークになっているとは言えないのだが。しかし早朝のグローベックスでは米国株が大幅高となっている。11月につけた戻し高値に急接近する勢いだ。
為替相場と株価ではちょっとちぐはぐだ。これも欧州時間になって海外勢の参入を待たないと、本格的な動きなのかどうかを判断することはできないということか。現在のところはドル円の高いところを買っていけばよいという状況ではなさそうだ。
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